更新日:2013年05月17日 09:06
デジタル

キンドルの自費出版は素人でも儲けられる!?

誰でも電子書籍を販売できる! そんなアマゾンの革命的サービス「キンドル・ダイレクト・パブリッシング」(以下KDP)が日本でもスタートした。手軽に自費出版できるのがウリだが、怪しげなタイトルも散見されるキンドルストア。新手の市場にうごめく魑魅魍魎の正体とは? ◆素人がキンドルで儲けることは可能?
ジーン・マッパー

とはいえ、日本でも藤井大洋氏の『ジーン・マッパー』のように、無名の作家の小説が8000部を超えた(1月末時点)例があるので、夢をでっかく持つのもいいかもしれない!?

 これまでも、アップルのAppストアなどで個人が電子書籍を販売することは可能だったが、その場合は“アプリ”として販売することになるため、素人が手を出すにはハードルが高かった――と自身もKDPで電子書籍を出している、コンサルタントの永江一石氏は語る。さらに、Appストアの場合は、ユーザーが必ずしも「本を買う」という目的意識を持っているわけではないので、ベストセラーの電子版といったようなものでない限り、なかなか売れにくい状況にあったという。その点、「書店」であるアマゾンから、KDPのようにシンプルな仕組みが登場したことは、本を出したい個人にとってはエポックメイキングな出来事といって間違いない。とはいえ、それはまだ入り口にすぎないというのも事実だ。 「もともと知名度のある人や人気作家ならいざ知らず、一般人の場合、そもそも出版したことさえ話題にしてもらえません。自分のメディア(ブログなど)を持っていて、宣伝できるなどの特殊な環境が必要です」  ブログをまとめて売るのは一つの有効な手段だと永江氏は言うが、ウェブで無料で読めるものが、なぜ売れるのだろうか? 「私の電子出版について、ある方が言及してくれたんですよ。『永江の電子書籍に収録されたエントリーを、全部ファイルに取り出す作業だけでも1時間半かかった。99円はその代金だと思えば安い』と。オフラインでも読めて、まとめることに意味があるわけですね」  自分のブログに自信のある人なら、挑戦する価値あり。もっとも、発行部数で印税が支払わる紙の本と違い、電子書籍の印税は実売部数に対して払われる。さらに、素人電子書籍の売れ筋は100円前後が相場なので、よほどヒットしない限り「儲かる」とまではいかないだろう。 「ちなみに、Appストアではロイヤリティが米国から送金されるので、そこで5000円くらい手数料を取られてしまい、個人レベルの売り上げはパアになることも多いんですが、キンドルストアでは手数料の安いEFTなどを選べる。その意味でもキンドルストアにアドバンテージがありますね」  まずは、飲み代1回分くらい稼ぐのを目安に、頑張ってみますか! 【永江一石氏】 コンサルタント。月間30万超アクセスの人気ブログよりベストエントリーを集めた『素人の顧客の意見は聞くな 永江一石のITマーケティング日記』がキンドルストアで販売中 取材・文/江沢 洋 ― Kindle自費出版で情報商材戦線に異状あり!?【4】 ―
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