デビルメイクライ最新作が前作から5年空いた理由
―[伊津野英昭氏(カプコン)]―
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【中編】「海外と日本」
『DmC Devil May Cry』のスーパーバイジングディレクター、監修を務めました伊津野です。最新作は、前作の『4』から約5年の間隔が空いています。当時、すぐ作ろうという話もあったんですが、『4』のあとに似たようなアクションゲームが続々と市場に出てきた。このまま同じスタッフが続編を作ったところで、お客さんが新鮮に思うのかという疑問になったんです。だったらいったん寝かせて、新たなコンセプトに挑戦しましょうと。
今回は、『デビル メイ クライ』をずっと好きだったイギリス人たちが思うヒーロー像、カッコよさって何?という部分を前面に押し出しています。制作の現場も世界へと広がり、イギリスのスタジオと北米のプロデューサー、それから僕たち日本のスタッフと3地域共同で取り組みました。
海外スタジオとのやりとりはやはり大変でしたね。まず、僕が英語をしゃべれないんですよ。思った以上にしゃべれない(笑)。公式サイトのコラムにも書いたんですけど、微妙なニュアンスが伝わらない。例えば歌舞伎には「キメ」がありますよね。ピタッと止まるんじゃなくて、ちょっと行きすぎてクッと止まるというか。そういう感覚が向こうにはない。だから、日本のアクションゲームのほうが、ボタンを押していて気持ちいい。これは逆もあって、日本でダークファンタジーというと、どうしても暗い色使いになりがち。なのに、彼らが作ると青空でもちゃんとダークな雰囲気が出る。街自体が生きているように動いてダンテを排除する、といった発想も日本人には難しいでしょうね。
海外生まれの新しいセンスのビジュアルと日本生まれのきびきびとしたアクション。両者が融合した『DmC』をぜひ楽しんでいただければと思います。
※【後編】「デビルメイクライは『3』に一番思い入れがある」に続く⇒https://nikkan-spa.jp/412679 【伊津野英昭氏】 代表作は『ストリートファイターZERO』、『ジャスティス学園』、『カプコン vs SNK』。最新作は『ドラゴンズドグマ』 (C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
『DmC Devil May Cry』 その快感、悪魔的。 |
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