更新日:2013年05月25日 17:10
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「泣くことは最高のストレス解消法」と脳の研究者が推奨

◆週末に1回涙を流せばストレスは大幅に軽減できる ストレス,泣く 映画や小説など、泣ける作品の世界に浸って涙を流すと、心がスッキリする感覚があるのは確かだが、そのとき脳ではどんな変化が起きているのか。脳生理学者の有田秀穂氏に話を聞いた。 「目を潤すための涙やゴミが入ったときに出る涙とは違い、悲しいときや感動したときに流れる『情動の涙』には、高い抗ストレス効果があります。なかでも他者への共感から生まれる『感動の涙』を流すと、緊張、不安、敵意などのネガティブな気分が解消されることが実験からわかっています」  IT化が進んだ近年は日々の身体的ストレスが減少した一方で、心の病の発端となる脳ストレスをため込む人が増加中。その脳ストレスは睡眠や食生活の改善でも消し去るのは困難だが、感動の涙により解消することが可能だそうだ。 「脳ストレスの原因となる職場の環境などを変えるのは困難でも、涙を流すことで日々のストレスを軽減することは誰でも可能です。なお涙のストレス解消効果は数日間にわたって持続するので、週末に好きな作品に触れて涙を流す“週末号泣”を行うだけでも十分効果はある。また笑うことでも人は元気になったり気分が高揚したりしますが、ストレスを洗い流し心の状態をリセットする効果は涙のほうが高いといえるでしょう」  では感動の涙を流すコツは? 「部屋で映画を見たりする場合は、照明を暗くするなど、作品に集中できる環境をつくること。そして最低でも15分は作品世界に浸ってみましょう。なお感動が高まってきたら我慢せずに涙を流すこと。気分が中途半端に高まったまま涙を流さずに終わってしまうと、逆にストレスをため込んでしまう可能性もあります」  涙を流すには「過去に泣いた作品をまた見る」のもアリだ。 「過去に感動した作品は、何度見ても同じように泣けるはずです。なお、いつもは感動する作品でも“泣きたいのに泣けない”場合は、精神的疲弊が進んでいる証拠。うつ病などの可能性もあるので早めに専門医などに相談しましょう」 【有田秀穂氏】 1948年生まれ。専門は脳生理学。東邦大学医学部統合生理学教授などを歴任し、セロトニン道場代表も務める。『脳からストレスを消す技術』(サンマーク文庫)など著書多数 取材・文/古澤誠一郎 田幸和歌子 福田フクスケ 安田はつね(本誌) ― [鉄板で泣ける名作]40選【9】 ―
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