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抗議運動も起きた杉並区の熾烈を極める保活事情

待機児童問題が叫ばれて久しいなか、子供を保育園に入れる活動、通称「保活」も激化の一途を辿っている。「なんとか我が子をいい保育園に入れたい……」。そんな思いで各家庭が鎬を削る裏では、壮絶な保活に巻き込まれ、悲惨な目に遭う家族の姿があった!

◆「ママが怒るのも無理はない」熾烈を極める杉並の保活事情

 今年2月に待機児童を抱える母親たちによる抗議行動も起きた、保活激戦地・杉並区。同区に暮らす2児の父である牧田文人さん(仮名・35歳)も、認可保育園への4月入園を申し込み、あえなく落選した一人だ。牧田さん夫婦はフルタイムの共働き。杉並区の加算方式では、合わせて40点が与えられるが、「区役所に問い合わせたら、『1歳児の4月入園枠には41点以上の申込者が数百人いるので難しいでしょう』と言われた」という。

「もう、1、2点のわずかな差で天国と地獄になってしまうんです。それでもなんとかしようと、妻の上司に『彼女がいないと会社が大損害を被るので~』などと書かれた、区役所に出す嘆願書を書いてもらった。まあ、正確には僕が文面を全部書いて、上司の方にはサインしてもらっただけなんですが……。でも、それでもダメでした。結局、杉並区では比較的入りやすい0歳の段階で預けておかないとダメ。僕の場合、2月に認可園落選の知らせが来てから認可外保育所も探しましたが、問い合わせると、『100人待ちです。仕事にならないから電話してくるな!』とガチャ切り。なんて対応だと思いましたよ。今年の4月入園をめぐってはあまりにも修羅場と化していたので、ママさんたちが怒るのも無理ないなと……」

◆保活が激化したのは区の対応のせいだ!

保活 冒頭で触れた通り、母親たちが杉並区に対して抗議運動を行った結果、同区は認可保育園の二次募集枠を80人から150人に増員するなど、対応に追われた。

「そもそも、なんでこんなに今年の保活が激しくなったかといえば、杉並区が『’12年度の待機児童数は52人』と発表したから。そんなに少ないわけがない! 実際には認可園に通わせたいのに入れず、育児休暇を延ばした家庭の子供らをカウントしていなかったようです。でも、その発表によって『待機児童が少ない杉並区は狙い目だ』と勘違いした地区外の親たちまで集まってきてしまった。その分、競走が激しくなったんです」

 ただ結果的に、増枠された二次募集で、牧田さんは2人の子供を認可保育園に入れることができた。

「訴えてくれた親御さんたちには、感謝しています。とはいえ、決まった保育園は自宅から3km以上も離れているので、毎日タクシーで送迎することになりそうなんですが……。もう杉並区で生きていくためには、仕方がないですね。3人目以上は加点対象になるらしいのですが、妻は『もう保活はイヤだ……』と嘆いています」

― パパが見た[保活地獄]の阿鼻叫喚【5】 ―




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