「連絡はLINEで」2013年新入社員のOB訪問言行録
―[[2013]新入社員の観察報告]―
上の世代から「ゆとり」と蔑まれ始めているのを見て育ち、中高生時代にはSNSが登場。「ソーシャル」とともに思春期を送ってきた。この4月にやってきたのは、そんな時代を生きてきた若者だ。ソー活が流行し、就活の鉄板ネタは「震災ボランティア」と意識が高そうだが、括りとしては「第3次ゆとり世代」とまだまだゆとり枠。現場からの最新の観察報告をリポート!
◆OB・OGは見た!’13入社新人の特徴とは?
OB・OG訪問を受けた社員たちは、今年入社の新人たちについて何を思ったのか。海野さん(仮名・教育・28歳)はこう語る。
「OBに積極的に紹介を請うたり、“ソー活”に勤しんだり、就活に熱心で手段はたくさん知っているけど、結局じゃあ何がやりたい? 3年後はどうなっていたい? とかの具体的な考えは特になく、あくまで仕事は生活のため、プライベート重視、というコが目立っていますね。だから、就活手段を知っていたところでそれを有効活用できていない」
幼い頃から不況や就職難、リストラの話ばかり見てきたせいか、就活に際しても基本、「生活を守る」ことに執着する。
「大学の後輩に頼まれて、人事の偉い人との会合をセッティングしたのに、仕事内容の話には一切触れず、休暇の種類や有休の取りやすさ、住宅補助等の手当についてばかり聞いてきて、恥ずかしい思いをしました」(人材・29歳)
そして、彼らが就活に使うツールにジェネレーションギャップを感じる人も。
「OB訪問についてメールでやり取りしていた際、『LINEのほうが早いので、ID教えてください』と言われました」(金融・26歳)
「一切メモを取っていないのを指摘したら、『録ってます』とスマホをずいと見せられました」(アパレル・30歳)
やる気はないが、損はしたくない。そして、情報を得ることや効率化には長けているが、それゆえ頭でっかち。この要領の良さを仕事で活用できれば化けるのかもしれないが。
【’13世代の生い立ち年表】
’90年▼生まれた瞬間にバブルが崩壊
’93年▼3歳。就職氷河期元年
’95年▼5歳。阪神大震災、地下鉄サリン事件が発生。ウィンドウズ95が発売
’97年▼小学校入学。「ポケットモンスター」放送開始
’01年▼11歳。小泉政権発足。アメリカ同時多発テロ発生
’02年▼12歳。小中学校で「ゆとり教育」が開始
’04年▼14歳。mixi登場
’05年▼15歳。この頃から、「脱ゆとり教育」の流れが始まる
’08年▼18歳。リーマンショック
’09年▼19歳。Twitterの流行。民主党政権が樹立
’11年▼20歳。東日本大震災が発生。日本のFacebookユーザーが増加
’13年▼22歳。多くの若者の連絡手段がLINEに。入社
取材・文/朝井麻由美 宮崎智之
― [2013]新入社員の観察報告【7】 ―
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