14代目の新型クラウンを買っているのは誰?
「Wow!と口にしたくなるクルマにしてください!」クラウンにはどんなスタイルがいいか?と開発陣から意見を求められた際、トヨタ自動車の豊田章男社長はそう答えたそうだ。そんな社長の期待通りか、それ以上の驚きをもって発売された新型クラウンはどんなものか? じっくり乗ってみました
西村直人=文 Text by Nishimura Naoto
池之平昌信=撮影 Photographs by Ikenohira Masanobu
◆イメチェン!超保守層が愛した純和風クラウンはもうなしなのか?【後編】
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しかし、ハイブリッドモデルで競うなら、昨年インポート・カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた「BMW ActiveHybrid 3」が強敵だ。340馬力(直列6気筒3.0リッターターボエンジンに40馬力のモーターを組み合わせたシステム出力)の高出力モデルだけあって、カタログ燃費はリッター16.5kmとクラウンの70%程度に留まるが、ハイブリッドカーの常識を覆す走りっぷりはクラウン以上。
もっともBMWにはディーゼルモデルがあるわけで、燃費数値はそちらでカバーしているからこそ、ActiveHybrid 3は安心してパフォーマンスに振れたわけだが。
一方、ガソリンモデルも気持ちの良さでは負けてない。例えば3.5リッターエンジン(315馬力)を搭載するアスリートSの加速性能は欧州勢とガチンコ勝負できるレベル。しかも日本専売モデルのクラウンは、アウトバーンを激走する性能を必要としない代わりに、日本の高速道路で許された範囲に的を絞って開発されているから、いつもの道でみっちりと詰まった濃い走りが楽しめる。これぞクラウンの特権だ。また、エンジンは4000回転を境に力量感たっぷりの快音を奏でるなど、大向こうを唸らせるには十分!
いまだにユーザー層は60代以上が中心で、若返りが図れていないなど、上級車特有の課題は残るものの、見た目と走りは間違いなく新境地だ。
個人タクシーで新型クラウンを見かけたら、こうした背景を思い出して、乗ってみてほしい。
【結論】
14代目の新型クラウンは、販売台数2万6587台のうち、約半分の1万4700台をハイブリッド車が占めている。1~3月の登録車(軽自動車除く)の国内販売で6位につけるなど超保守層から受け入れられた?
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