ショッピングモールで感じる「一人ぼっち」の寂しさ
―[「ぼっち」休日動態調査]―
お一人様専門店も登場し、世は「一人客」に対し、受け入れ態勢を整えつつある。半面、仲間と過ごす人を“リア充”と呼び、一人でいることを“ぼっち”と自虐する層も増えている。果たして、「ぼっち」での行動はどこまで許容され、どこで屈辱を感じるのか。孤独感が浮き彫りになる休日に絞って、「ぼっち」の「OK/屈辱」の分水嶺を探った!
<ショッピング編>ある特定の店はぼっちに傷を与える
今回の調査で意外なほど否定的な声が上がったのが「ショッピング」施設である。
特に、郊外などに多く存在するショッピングモールは、遊園地並みに忌避するぼっちが多数いた。
「大型のショッピング施設は、子連ればかりで、大声ではしゃぐ子どもにも、それを叱らない甘い親にも腹が立つ。一人だと、『うるさいね』と会話のネタにもできず、怒りが消化不良になる」(28歳・女性)
「日曜の昼間にふらりと行って、幸せそうなファミリーに胸がギュッとなってやるせなくなったことが……」(26歳・男性)
周囲の目というよりも、周囲の家族連れと対比し、「ぼっち」であることを痛感させられることが避けられる要因であるようだ。
また、渋谷109なども否定的な見解が多く集まった。
「お店の音楽がうるさいわ、店員さんがケバいわ、あまつさえ『今日の服のテーマは? ないの? そんなんじゃダメですよ~』といらないおせっかい。知らんがな」(27歳・女性)
パーソナルスペースに入り込んでくるフランクすぎる接客は、人との距離感を重視するぼっちにとっては忌み嫌われてしまうのかもしれない。
これを裏付けるように、「ギャルや子どもは直球で酷いことを言ってきそう」だという声が上がっていた。ぼっちで寂しそうだと指摘されそうに感じる、ということが理由であるようだ。
’11年度の情報通信白書によれば、15歳以上におけるインターネットショッピング利用率は平成14年の20.8%から、平成22年には36.5%と右肩上がりだという。
その背景には、こうした大型ショッピング施設での買い物を避けたがる“ぼっち層”のメンタリティも一役買っているのかもしれない。
取材・文/朝井麻由美
― 「ぼっち」休日動態調査【7】 ―
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