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借金、低収入、病気…生活苦から抜け出すには?【佐藤優のインテリジェンス人生相談】

【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

◆ポンテ(ペンネーム)フリーター 女性 28歳

人生相談, 低収入 28歳実家住まいです。借金をしておりまして、それを完済してから貯金して一人暮らしを始めようとしておりますが、低収入(月収13万~16万円)なもので、どんなに早くともあと5年はかかりそうです。父(63歳)は会社員、母(60歳)は専業主婦でしたが父が5年ほど前にリストラされ、今では持病で入退院を繰り返すようになり、家計が火の車です。毎月のように家賃(10万円)を待ってもらっています。引っ越し費用すらありません。母も職にありつけない状況なので、家賃だけでも私が払おうと転職を考えています。しかし、次に考えている職場は今の倍近くの給料が貰えますが、掲載されている写真を見ると今まで私がいじめに遭ってきた職場の雰囲気に似ていてかなり怯えています。このまま5年過ごすか、転職するか悩んでいます。どうすべきでしょうか?

◆佐藤優の回答

 13万~16万円の月収から借金をきちんと返済しているというポンテさんの姿勢は立派です。ポンテさんが、<次に考えている職場は今の倍近く給料を貰えますが、掲載されている写真を見ると今まで私がいじめに遭ってきた職場の雰囲気に似ていてかなり怯えています。>という認識をもっているならば、職場を替わるべきではないと思います。また、月13万~16万円の月収は極端な低収入ではありません。家賃が10万円かかるということですが、公営住宅への転居を考えてみるべきでしょう。家賃が3分の1以下になります。

 ご両親に関しては、年金はどうなっていますか? 年金が出るようになり、公営住宅に住むことができれば、あなたとご両親で十分に生活していくことができると思います。仮にご両親に大きな借金がある場合には、自己破産について考える必要があるかもしれません。借家住まいなのですから、自己破産によって失うものはあまり大きくないと思います。

 とにかく現状から脱出するための具体的な計画を立てることが重要と思います。あなたの場合、借金をした理由についてよく考えてみる必要もあります。月13万~16万円で生活していくことができるのですから、あなたに浪費癖はないと思います。なぜ今後の生活を著しく制約してしまうような借金をしてしまったのかについて、冷静に考えることが重要です。そして借金を返済し終えたら、今後は極力、借金をしないように心がけてください。

 今後の計画を立てる際に、あなたよりも苦しい状況に置かれている人々の経験から学ぶことが重要です。具体的な話を聞くことも意味がありますが、小説から得る知識も重要です。薬丸岳さんの小説『友罪』は、少年時代に殺人を犯す、いじめで友だちを見殺しにする、息子の起こした交通事故で一家離散になる、AVに出演した過去の重荷を克服できないなど、さまざまな苦難を抱えながら懸命に生きていく人々の姿を描いた作品です。元AV女優の美代子がこんなことを言います。

<「鈴木さんはわたしにひとつ大切なことを教えてくれました。わたしが自分の過去に縛られて苦しんでいるときに鈴木さんはこう言ってくれたんです。逃げ回ることなんかない。別に何か悪いことをしてないんだから逃げ回ることなんかないよって。あなたも自分がやったことが正しいと思うなら逃げることはないじゃないですか。逃げるっていうことは自分のやましさを認めている証拠よ」>(『友罪』505~506頁)

 人生には巡り合わせがあります。生活の困窮もその一つです。現在の生活から逃げようとしても、問題を解決することはできません。種々の可能性を検討して、自力ではこれ以上、生活できないということになれば、ご両親の生活保護を申請するのも一案です。自分に自信を持って頑張ってください。

【今回の教訓】
ご両親の生活保護を申請するのも一案です

◆募集
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【佐藤優】
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『読書の技法』『日本国家の神髄』など著書多数

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