ネット墓地にハイテク墓地。最新の墓地事情とは?
どんなにノンキに生きていても、30~40代ともなれば葬式に出る機会も増えてくる。親だっていつまでも元気とは限らない。もしかしたら明日、いきなり喪主を務めるハメになるかもしれない。そんな、いざというときのために知っておきたい葬式とお墓に関するお役立ち情報を専門家に聞く!
◆人生いろいろ、お墓もいろいろ[お墓事情]驚リポート
【ニューデザインお墓】
最近は四角四面の墓石じゃなく、デザインに凝ったお墓もある。
「デザイン墓は十数年前から扱っていますが、6~7年前からは完全オーダーメイドの一品モノも始めています。ハート型の墓石や登山好きだった方で山の形とか。好きな言葉や家族の肖像画を彫ったものもありますね。当社では全体の半分がデザイン墓で、完全オーダーは1割程度になります」(コスモ石材社長・今野栄一朗氏)
もちろん使用する石の種類や大きさによって値段は上下するが、同社では別途のデザイン料は基本的に取っていないという。
「仏壇は宗派の関係であまり好き勝手には作れないのでしょうが、お墓は“亡くなった方が入る家”なので、故人やご家族の方のお考えを自由に反映させてもいいと思います。変わったデザインを希望されるのは、ご夫婦やご家族間の愛情の深い方が多い印象ですね。傍目には奇抜に見えても、ご当家には意味深いものなんです」
【ネット墓地】
土地・墓石不要でインターネット上に仮想のお墓を作るサービス……ではないという。
「基本はすでにお墓をお持ちの方が対象です。最初にご遺族から故人のお墓の写真を送っていただき、弊社がネット上にアップするという流れ。ただ散骨してお墓がないなどの場合は、ご用意してあるCGの墓石で対応も可能です。故人の生前の写真やプロフィールをアップすることもできますし、『記帳』もできるようになっており、故人やご遺族に向けてメッセージを綴ることもできるのが特徴ですね」(アイキャン社長・渡辺正氏)
初年度は登録料5250円で、翌年からは年会費2100円。
「『ネットにお墓があるから、もう実際のお墓に墓参する必要はない』という解釈はしないでほしいんです。できれば現実のお墓まで足を運んでいただきたい。あくまで海外で暮らしていたり、高齢で足腰の悪いご遺族の方々のために生まれたサービスですので」
【ハイテク墓地】
屋内墓地ではハイテクな進化も。
「堂内には読み取り機が備えられた参拝口が数多く設けられています。ICカードをかざすと約1分で納骨堂から厨子というお骨の入った箱が運ばれ、参拝口の墓石にセットされる。すると、参拝口の扉が開いてお参りができるという仕組みです」と言うのは販売を代行するニチリョク広報担当・鶴野順子氏。都市部にあり駅から近い利便性も人気で、毎月100組ペースで契約が決まっているとか。
「都内でお墓を建てると200万円ぐらいかかるところが弊社が扱う両国駅近くのお墓は現在75万円。別途で護持会費が毎年1万2000円かかることを踏まえても割安でしょう。墓石部分は共有ですが非常に立派なものですので、実際に目にすれば十分な価値を感じていただけると思います」
基本的に宗旨、宗派を問わず、水や花も用意してあり手ぶらで参拝できるという気軽さは、いかにも現代的なサービスだ。
― 30~40代のための[葬式&お墓]新常識【9】 ―
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