会いにいける女流棋士「マイナビ女子オープン」観戦記
―[マイナビ女子2013]―
8月17日、東京・竹橋のマイナビルームにて『マイナビ女子オープン』の一斉予選が行われた。
『マイナビ女子オープン』は、2007年に創設され、今年で7期目を迎える将棋の女流タイトル戦。優勝者には「女王」の称号と賞金500万円が贈られる。その名の通り「オープン棋戦」であるため、アマチュアの女性選手にも出場枠が設けられている。まさにプロもアマも関係なく「世界で一番将棋が強い女子」、すなわち「女王さま」を決める大会だ。
また毎年この時期に行われる予選会は、一般の将棋ファンも入場できる公開対局となっていることも特徴。普段は見ることができないプロの、しかも女流棋士たちの本気の対局姿を間近で見られるチャンスとあって、毎年大勢のファンが集う催しとなっている。「会いに行けるアイドル」ならぬ「会いに行ける女流棋士」というわけだ。
この日はトーナメント形式で1回戦と2回戦が行われ、本戦トーナメントに進むメンバーが決定された(昨年の成績優秀者は一部シード)。対局は全部で35局もあり、とてもすべては解説しきれず、ほんの一部になってしまうが、独特のその場の雰囲気やおおまかな見どころ等を、写真ギャラリーを交えたダイジェストでご紹介したい。
トーナメント形式となる一斉予選は、広い会議室のようなマイナビルームにて、同時に10局あまりが並行して進行する。午前10時から1回戦の半分が、午後に1回戦の残り半分と2回戦(予選決勝)が行われた。
筆者は将棋ファンとして数回この予選会を観戦しているが、初めてだと、どの対局を見ようか迷ってしまうかもしれない。早指しなので、特に中盤以降はちょっと目を離したスキにどんどん将棋が進行し、「これは何が起きたんだ!?」というケースもある。序盤の約30分はあちこちを見て回って、その間にどの対局を最後まで観戦するか、ある程度しぼりこむのが鉄則だ。
お目当ての女流棋士がいる場合は「懸賞金スポンサー制度」を利用してみてもよいだろう。これは『マイナビ女子オープン』独自のしくみで、大相撲の懸賞のようなもの。当日の受付で所定のスポンサー料金を支払うと数々の特典があり、砂かぶり席ならぬ専用のスポンサー席も用意される。スポンサー席は対局者から2メートルほどと、かなりの至近距離。もちろんケータイは必ずマナーモードに。
当日は、別フロアの会場にて、森内俊之名人や電王戦でおなじみの塚田泰明九段らをはじめとする大盤解説会も同時に行われていた。かなりの至近距離とはいえ斜め横から将棋盤を見て内容を読み取るのはそれなりに将棋が強くないと難しいので、序盤と終盤だけ対局場で観戦し、中盤の勘所は解説を見に行くのもオススメ。
ちなみに筆者は、一部の対局がインターネットや「日本将棋連盟モバイル」でコメント付きで棋譜中継されていたので、スマホの画面と実際の盤面を見比べながら観戦していた。なお当日の全棋譜は『マイナビ女子オープン』公式サイトにて公開されているので、いまから確認も可能だ。
⇒【女流棋士たちの対局姿】https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=497225
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