雑学

会いにいける女流棋士「マイナビ女子オープン」観戦記

女流棋士たちがズラリと並び、緊張感が漂う

女流棋士たちがズラリと並び、緊張感が漂う

 8月17日、東京・竹橋のマイナビルームにて『マイナビ女子オープン』の一斉予選が行われた。

『マイナビ女子オープン』は、2007年に創設され、今年で7期目を迎える将棋の女流タイトル戦。優勝者には「女王」の称号と賞金500万円が贈られる。その名の通り「オープン棋戦」であるため、アマチュアの女性選手にも出場枠が設けられている。まさにプロもアマも関係なく「世界で一番将棋が強い女子」、すなわち「女王さま」を決める大会だ。

 また毎年この時期に行われる予選会は、一般の将棋ファンも入場できる公開対局となっていることも特徴。普段は見ることができないプロの、しかも女流棋士たちの本気の対局姿を間近で見られるチャンスとあって、毎年大勢のファンが集う催しとなっている。「会いに行けるアイドル」ならぬ「会いに行ける女流棋士」というわけだ。

 この日はトーナメント形式で1回戦と2回戦が行われ、本戦トーナメントに進むメンバーが決定された(昨年の成績優秀者は一部シード)。対局は全部で35局もあり、とてもすべては解説しきれず、ほんの一部になってしまうが、独特のその場の雰囲気やおおまかな見どころ等を、写真ギャラリーを交えたダイジェストでご紹介したい。

 トーナメント形式となる一斉予選は、広い会議室のようなマイナビルームにて、同時に10局あまりが並行して進行する。午前10時から1回戦の半分が、午後に1回戦の残り半分と2回戦(予選決勝)が行われた。

 筆者は将棋ファンとして数回この予選会を観戦しているが、初めてだと、どの対局を見ようか迷ってしまうかもしれない。早指しなので、特に中盤以降はちょっと目を離したスキにどんどん将棋が進行し、「これは何が起きたんだ!?」というケースもある。序盤の約30分はあちこちを見て回って、その間にどの対局を最後まで観戦するか、ある程度しぼりこむのが鉄則だ。

懸賞金

2回戦の熊倉紫野女流初段VS香川愛生女流初段の対局では、この日の最高となる9口もの懸賞金がついた

 お目当ての女流棋士がいる場合は「懸賞金スポンサー制度」を利用してみてもよいだろう。これは『マイナビ女子オープン』独自のしくみで、大相撲の懸賞のようなもの。当日の受付で所定のスポンサー料金を支払うと数々の特典があり、砂かぶり席ならぬ専用のスポンサー席も用意される。スポンサー席は対局者から2メートルほどと、かなりの至近距離。もちろんケータイは必ずマナーモードに。

 当日は、別フロアの会場にて、森内俊之名人や電王戦でおなじみの塚田泰明九段らをはじめとする大盤解説会も同時に行われていた。かなりの至近距離とはいえ斜め横から将棋盤を見て内容を読み取るのはそれなりに将棋が強くないと難しいので、序盤と終盤だけ対局場で観戦し、中盤の勘所は解説を見に行くのもオススメ。

 ちなみに筆者は、一部の対局がインターネットや「日本将棋連盟モバイル」でコメント付きで棋譜中継されていたので、スマホの画面と実際の盤面を見比べながら観戦していた。なお当日の全棋譜は『マイナビ女子オープン』公式サイトにて公開されているので、いまから確認も可能だ。

⇒【女流棋士たちの対局姿】https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=497225

 先に述べたとおり、この予選会には、すでに実績のある女流棋士たちだけでなく、初出場のアマチュアや奨励会員(※)たちも数多く出場しているため、対局場には高校の制服を着たアマの姿もちらほら見られた。アマチュアの動向まで知っているのはかなりの将棋マニアになるが、それでも彼女たちの実際の棋譜はほとんど見る機会がないので、どんな将棋を指すのか興味津々だ。

※プロ棋士の養成機関。正式名称は「新進棋士奨励会」。さらに下部組織として「研修会」があり、これらに所属する会員はアマチュア扱いとなる。なお、いわゆる「棋士」と「女流棋士」は、どちらもプロだが別の資格だ。

 また筆者のように東京在住だと、関西やその他の地方に所属している女流棋士たちも、なかなか生で見る機会がない。プロ棋士や女流棋士は、アイドルで言えばSKE48やNMB48などのように、在住する地域によって所属が異なり、対局や大盤解説会なども地域別に行われることが多いので、めったにないチャンスなのだ。 <取材・文/坂本寛 撮影/林健太>

⇒【後編へつづく】https://nikkan-spa.jp/497193

◆マイナビ女子オープン http://mynavi-open.jp/


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