[不妊症に悩むカップル]48%は男性側に問題あり
不妊症に悩むカップルのうち、48%は男性側に問題があるというのをご存じだろうか(WHO「不妊症の原因調査」による)。これまで、女性の不妊治療に注目が集まっていたが、男性にも“産み”の苦しみがあるということが徐々に語られるようになってきている。
ロックミュージシャンのダイアモンド☆ユカイ(49)氏も、実は無精子症と診断され、「顕微授精」(手術で取り出した精子を冷凍保存し、顕微鏡を使って精子と卵子を授精させる)により、三回目の挑戦で第一子となる女の子を2年前に授かったということを今年6月に告白。ユカイ氏のように、不妊治療を行う男性が増えていると聞き、とある女性誌の「妊活ミーティング」に参加してみた。講義によると、男性不妊の原因には、精子異常(「無精子症」=射精した精液に精子がない、「乏精子症」=精子の数が少ない、「精子無力症」=運動する精子が少ない)のほか、ED(勃起不全)などが考えられるという。その治療方法は、症状に応じて、ホルモン剤、人工授精、顕微授精とあり、こうした体外受精(男性不妊、女性不妊問わず)で生まれてくる子どもは年間約2万人もいるとのこと。日本で生まれてくる赤ちゃんの50人に1人が、体外受精児という時代なのだ。
妊活ミーティングで医師は、「男も40歳を過ぎると生殖能力が低下する」とも語っていた。また、年齢のほかにも、放射線や生活習慣など外的要因の影響も受けるという。精神面、肉体面、金銭面など、さまざまな問題があるが、女性も男性も互いの協力がなくては不妊治療は続けられない。厚労省では、不妊に悩む夫婦に対して支援(特定不妊治療の費用の一部に対して助成金が出る)など行っているので、利用したい。
ちなみにユカイ氏、再び顕微授精に挑戦し、この秋には双子の第二子、第三子が生まれる予定だそう。
参考図書:『男性不妊症』 著・石川智基/幻冬舎新書
厚労省:http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/03/h0327-2.html
取材・文/日刊SPA!編集部
『男性不妊症 (幻冬舎新書)』 今、精子に何が起きているのか? |
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