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メタリカ乱入!ヤンキース・リベラの豪華引退セレモニー

 快晴の日曜日、ヤンキースタジアム。ニューヨークでの絶好の野球日和を、超大御所ヘヴィメタバンド・メタリカが“ゲリラライブ”でジャックした。

メタリカ

リベラに生「エンター・サンドマン」を送ったメタリカ。ピックにはリベラの背番号「42」が

 現地時間9月22日にヤンキースの本拠地ヤンキースタジアムで行われたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦。その試合前に、今季限りで現役を引退することを発表しているマリアーノ・リベラの引退セレモニーが行われた。ヤンキース一筋19年、メジャー歴代1位の652セーブ(現地9月23日時点)を積み上げた、正真正銘のレジェンドだ。

 リベラはヤンキースタジアムで登板する際、メタリカの代表曲「エンター・サンドマン」をエントランス・ソング(入場曲)として長年使用してきた。ヤンキースタジアムで9回裏にイントロのギターサウンドが流れると、ヤンキースタジアムがひと際盛り上がり、相手チームのファンが「今日はダメだ」と諦め、渋い顔をするのがお馴染みの光景となっている。

 そしてこの日は、リベラの代名詞ともいえる「エンター・サンドマン」をついにヤンキースタジアムで生演奏するため、メタリカがセレモニーに駆けつけたのだ。

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 メンバーの二人はヤンキースのユニフォームを着用し、ボーカル兼ギターのジェイムズ・ヘットフィールドはリベラの背番号「42」を記したピックでギターをプレイした。生演奏をバックにリベラが登場すると、メンバーはリベラに、背番号にバンド名と曲名、そしてメンバーのサインを施した特製アンプをプレゼント。今季限りでフィールドを退くレジェンドに、メンバーは「エンター・サンドマン」ならぬ「エグジット・サンドマン」の言葉を送った。

◆往年のOBのなかに松井秀喜氏も

 セレモニーにはメタリカのみならず、1990年代後半から2000年代前半の黄金期を共に支えた元ヤンキースのバーニー・ウィリアムス氏やホルヘ・ポサダ氏、そして今年7月には自身もここで引退セレモニーを行った松井秀喜氏らがスーツ姿で登場し、往年のスターがフィールドに勢揃いした。

マリアーノ・リベラ,松井秀喜

7月には自身も引退セレモニーを行った松井氏。名門球団ヤンキースの名OBとして、この場に当たり前に居ることは改めて凄いことだ

 リベラの引退は、ヤンキースのみならず、アメリカ球界における一時代の終わりといっても過言ではない。今季は本拠地ヤンキースタジアムだけでなく遠征先各地でも、長年に渡り凌ぎを削ってライバルチームがリベラの功績を称え、粋な“ギフト”をプレゼントしてきた。

 たとえばミネソタ・ツインズは、これまでリベラがへし折ってきたツインズの打者たちのバットで作られたロッキングチェアをプレゼント。「夢破れた椅子」と名付けられたちょっと切ないこのチェアは、引退後にリラックスしてくつろぐのにピッタリな、実用性も兼ね備えた(?)プレゼントだ。

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 サンディエゴ・パドレスは、ヤンキースのロゴと背番号「42」が施された自転車を贈呈。リベラに次ぐ歴代2位の601セーブを挙げたトレバー・ホフマン氏がプレゼンターを務めた。また、宿敵球団レッドソックスも、ボストン・チェロ・カルテットが「エンターサンドマン」を演奏し、同じクローザーの上原浩治がプレゼンターとして「42」のボードやイス、そしてプレートを手渡した。

 7月のオールスターゲームでも、リベラが登板した8回に野手がしばらくフィールドに出てこず、誰もいないフィールドでリベラが一人投球練習を行うという粋な演出も。ボルテージが最高潮に達したスタンドからはスタンディングオーベーションが鳴り止まず、三者凡退で仕事を果たしたリベラはMVPを獲得した。

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 リベラのように球界に多大な貢献をした選手を惜しみなく称えるのは、メジャーリーグの素晴らしい慣習だ。それも堅苦しいセレモニーではなく、ファンも楽しめるよう演出にも趣向を凝らすのがアメリカらしい。こうした取り組みこそが、アメリカにおいてスポーツが“エンターテイメント”たる所以なのだろう。

<取材・文/スポーツカルチャー研究所>
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海外スポーツに精通したライターによる、メディアコンテンツ制作ユニット。スポーツが持つ多様な魅力(=ダイバーシティ)を発信し、多様なライフスタイルを促進させる。日刊SPA!ではMLBの速報記事を中心に担当




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