お金

消費増税前に家を買ってはいけない!?

 住宅は消費増税前に購入するのと、拡充された住宅ローン減税を受けるのとではどちらがトクなのか?
マンション

駆け込み需要が起きつつあるマンション。購入は増税後がおトク!?

 消費増税前には、住宅や自動車、白物家電などをはじめとする高額商品を中心に「駆け込み買い」が起きやすい。この数か月、首都圏マンション販売が好調を維持しているのは、アベノミクスによる景気回復期待もさることながら、消費増税も影響しているのだろう。確かに高額な買い物では増税は大きな負担となるので、さっさと買ったほうがよさそうだ。しかし、政府は「住宅ローン減税」を拡充し、増税負担を軽減する措置が決まっている。家は本当に増税前に買ったほうがいいのか、それとも住宅ローン減税による節税メリットのほうが大きいのだろうか。 「シミュレーションした結果、3000万~7000万円の住宅ローンを組む人は、むしろ増税後に買ったほうが有利になるケースが多いことがわかりました」と話すのは、生活マネー相談室代表でFPの八ツ井慶子氏。 「マンションや一戸建てといっても、すべてに消費税がかかるわけではありません。物件価格のうち、増税による3%の負担増となるのは建物部分のみで、土地部分は非課税です。それと、政府は住宅ローン減税を拡充することを決めています。住宅ローン減税とは、年末におけるローン残高の1%が10年間継続して所得税から控除される制度。現在は最大で年間20万円(10年間で累計200万円)が控除されますが、’14年4月からは最大で年間40万円(10年間で累計400万円)と倍増します。つまり、消費増税の前後で、『増税による負担増』と、住宅ローン減税による『節税メリット』をじっくり比較する必要があるんです」  そこで、八ツ井氏の協力のもと、住宅ローンごとにシミュレートしたのが下記の表だ。 ※表はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=515542
消費増税

夫、妻(扶養)、子供なしの家族を想定。住宅ローン減税額は最大まで享受できる年収があるものと仮定した

 例えば、建物が1800万円で土地が1200万円の物件を購入し、3000万円の住宅ローンを組むケースを見てほしい。 <来年3月末まで> 5%のときに支払う消費税は86万円。住宅ローン減税を最大まで享受できる年収があるとすると、来年3月末までに購入・入居したら、10年間で上限の200万円の還付を受けることができる。差額は114万円。 <来年4月以降> 8%に上がると、支払う消費税は137万円。住宅ローン減税は上限が400万円に拡大され、273万円が還付されることになる。借入額は3000万円なので、単純計算すると10年間で300万円還付されるのだが、返済で徐々に減っていくと試算しており、300万円よりやや少ない金額となっている。消費税と減税の差額は136万円だ。  比較すると、消費税が8%になってからのほうが節税メリットは大きいことがわかる。 ⇒【次回】「消費増税後に不動産は値下がりする?」
https://nikkan-spa.jp/515526
【八ツ井慶子氏】 生活マネー相談室代表。CFP。家計の見直し相談センターを経て独立。宅建や日本証券アナリストの資格も保有。執筆・講演活動など多数 ― 消費増税前に家を買ってはいけない!【1】 ―
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