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足踏みしても、「平均以上」のドル高・円安

吉田 恒

吉田 恒氏

 5月103円まで、一気にドル高・円安となった動きが一服してからの足踏みが長引いている。それでも、足元98円程度で推移している今回のドル高・円安は、過去のドル高・円安の平均ペースを上回る動きである。 ◆足元94-95円以上なら平均以上のペース  2011年11月から始まった今回のドル高・円安は、先週までに93週経過した計算になる。この93週目の時点でのドル上昇率は27%(資料参照)。 ⇒【資料】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=523683 ドル高・円安 過去4回のドル高・円安トレンドで、同じ93週目でのドル上昇率の平均を計算すると24%だった。ちなみに、ドル上昇率24%で計算すると今回の場合なら94-95円程度という計算になる。要するに、今回の場合、足元で94-95円よりドル高・円安で推移している限り、過去の平均を上回るドル高・円安ということになるわけだ。  ドルが5月に103円まで上昇した時点では、ドル上昇率は36%に拡大した。これは、過去4回のドル高・円安トレンドの中で「最速」ペースに肩を並べる動きだった。  5月にかけて一気に103円を記録した「安倍円安」は、過去「最速」ペースのドル高・円安だった。そんな動きの印象が強いと、この数か月のドル円の動きに物足りなさを感じてしまうかもしれないが、それでも、まだ平均を上回るドル高・円安が続いていることには変わりないということになりそうだ。(了) 【吉田 恒氏】 1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。 2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
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