「TPPはアジアに医療費高騰を招く」マレーシアの議員も警告
週刊SPA!10月29日発売号「山田元農水大臣が『TPP合意のインチキ』を告発」では、農業だけでなく保険も自動車もインターネットも、そして医療も危機に落ち入れるTPP合意について警鐘を鳴らしている。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
10月1日、「TPPを考える国際会議」が永田町で開かれ、TPP交渉参加国の一つであるマレーシアの国会議員2人と韓国の弁護士らが参加した。
その1人であるヌルル・イッザー・アンワル議員(マレーシアの人民正義党の女性国会議員)を直撃した。
「米国ではアルジャジーラ(中東の衛星放送局)の録画動画がネット上で見ることができません。もちろん私は『ネット上の海賊行為を取り締まらなくてもいい』とは思いませんが、市民がネットメディアを使う権利に対し、アメリカが自国の多国籍企業が利するために追加的な規制をかけることには反対です。医療分野の公約でも’17年までにジェネリック薬品の割合を7割にするという日本政府の方針と、ジェネリック薬品を使いにくくするTPP推進と矛盾すると指摘できます」
たしかに厚生労働省は、医療費増大を抑えようとしてジェネリック薬品の割合を増やそうとしている。しかし山田正彦元農水大臣が入手し、SPA!取材班に公表した内部文書を見ると、TPPによって医薬品の価格高騰を招く恐れは十分にあり、韓国では一足早く、その兆候が出ているという。日本がTPPを締結すれば、医療費増大確実で、社会保障費に当てるはずの消費増税分の一部が吹っ飛んでしまうのだ。
発展途上国でも医薬品高等は深刻な問題を引き起こす。HIVの治療薬にアクセスできるようにする国際的な運動が進んだ結果、価格は100分の1にまで下がり、世界で700万人の命を救うことになった。この流れに逆行するのがTPPなのだ。
「米国製薬会社の独占権が強まると、医薬品へのアクセス向上(安価な購入)を阻害、医薬品の価格がアジア太平洋全体で上昇することになってしまいます。マレーシアでもTPP反対の理由の一つは、ジェネリック薬品を使いにくくなってしまうことです」(アンワル議員)
各国の議員から反対の声が絶えず出てくるTPP。山田正彦元農水大臣はその内部文書を入手。
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