仕込むべきか否か? リニア銘柄の可能性を探る
東京五輪決定に沸いたこの秋、2027年に開業予定のリニア中央新幹線の詳細ルートが発表された。東京五輪のさらに先に実現される一大プロジェクトに、今後の株式市場はどう反応するのか。「夢の超特急」開業に向けた投資戦略を考察する
「リニア中央新幹線は総工費が9兆円にも上り、景気や株式市場にもたらすインパクトは非常に大きいと考えられます。その経済効果は16兆円超と試算する専門家もあり、これは東京五輪をはるかに上回る規模です」
と話すのはフィスコのアナリスト小川佳紀氏だ。リニア中央新幹線は2027年に品川―名古屋間の開業、2045年に大阪までの延伸を目指す一大プロジェクトで、車両に搭載した超電導磁石と地上に取り付けられたコイルとの間の磁力で浮上して走行する「夢の超特急」。そのスピードは現在の新幹線のほぼ2倍となる時速500kmで、品川―名古屋間を最短40分で結ぶとされている。
だが、開業するのは13年も先の話。そんな将来のネタで儲けることは可能なのか。カブ知恵の藤井英敏氏は、こうアドバイスする。
「9月に詳細ルートと中間駅が発表された際は、トンネルや鉄道を得意とするゼネコンなどの関連銘柄が急騰した。今後も、折に触れてこれらの『リニア銘柄』が買われる局面が来るのは間違いない」
ならば、これらの銘柄に今すぐ投資して、開業までの13年間寝かせておけばいいのだろうか。藤井氏は、「それだと銘柄によっては大失敗する可能性も」と警告する。
「こうしたテーマ銘柄投資の醍醐味は、急騰局面での値動きが軽い小型株にあります。こうした銘柄は一気に上昇したかと思うと、あっという間に下落するので、この波にうまく乗って売買を繰り返すのが鉄則です」
これらの銘柄は投資家が反応するニュースが出ると瞬時に急騰するので、受注業者の決定や着工などといったニュースが出たら素早く発注し、狙い通りに急騰したらすぐに利益確定する短期での投資がおすすめだという。
「このとき、業績や株価指標を見て『買われすぎでは?』などと警戒して売りにいくような人は、食い物にされるだけ。こうした局面で勝てるのは、バカになり切って『祭り』に参加できる投資家です」
ただし、こうした短期投資は時間との勝負。できればその日のうちに利益確定し、期待通りに上昇しないようなら迷うことなく損切りする姿勢が重要だという。
「材料となる報道が出たらすぐに発注できるよう、普段から細かく銘柄をチェックしておくことが大切です」
⇒【次回】『リニア銘柄「本命はJR東海ではない」』に続く https://nikkan-spa.jp/530291
写真/時事通信社
― リニア新幹線銘柄を短期&中長期で仕込む戦術を考えた【1】 ―
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