円売り逆流でドル円が100円に戻る日
資料参照>。2010年以降で、円ショートの割合拡大がピークアウトし、反転したケースは主に5回あった。このうち、2012年12月のケースを除いた4回は、1か月以内に5-10%といった具合に比較的急激なドル安・円高となっていた。
※<資料>はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=571382
このうちの最大の円高になったのは2013年5月から6月にかけての局面で最大ドル反落率は10%弱に達した。記憶に新しい、「安倍円安」が5月103円台で一段落した後、6月にかけて一転して93円台までのドル急落が起こったケースだ。
投機筋の円売りリスクテーク拡大が一巡した後も、円高に転換せず、ドル高・円安が続くといった具合に唯一例外的なケースになったのは2012年12月。まさに「安倍円安」のスタート局面だった。
さて、総取扱高に占める円ショートの割合は、1月7日現在で92%といった具合に記録的な拡大となった。経験的にはいつ、投機筋の円売りリスクテーク拡大が一巡し、円買い戻しに転換してもおかしくない段階に入っているだろう。
仮に、1か月以内で5-10%のドル安・円高になるなら、105.4円を起点とした場合5%なら100円、10%なら95円割れという計算になる。それとも、投機筋の円売りが一巡しても、2012年12月のようにドル安・円高にはならないのか。それをこの先見極めることになりそうだ。(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業。大手投資情報会社で編集長、代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」(https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/)の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
投機筋は記録的な円売り拡大になってきたが、いよいよそれは一巡、逆流に向かい始めているのか。もしも、記録的な円売りが逆流に向かったなら、経験的には1か月以内に5-10%程度といったかなりのドル安・円高になる。
◆1か月程度で5-10%のドル反落インパクト
CFTC統計の投機筋の総取扱高に占める円ショートの割合拡大は、経験的には85%前後が限界圏となってきた<
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