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考えて笑う快感! シティボーイズ「動かない蟻」の面白さ

舞台後の楽屋に突撃。いつものバカサイなノリで出迎えてくれた天久聖一氏。自身初となる大きな舞台に「難しい!」と本音をこぼしながらも手応えを語ってくれた。

本誌の人気連載コーナー「バカはサイレンでなく」や『バカドリル』などでおなじみのマンガ家、天久聖一氏が演出と脚本を手がけたシティボーイズミックスPRESENTS「動かない蟻」が話題になっている。

キャストは大竹まこと、きたろう、斉木しげるといったシティボーイズの面々に加えて中村有志、荒川良々、辺見えみりといった豪華ゲストが脇を固めている。これだけでも観たい!というそそられるのだが、今回はSPA!でもお馴染みの天久聖一氏が脚本と演出を手がけているのだからそそられる度合いも一入である。

◆ショートコントを繋いだ、ストーリー仕立ての演出が斬新!

舞台は一本のストーリー仕立てというわけではなく、いくつかのショートコントが連なっていく。しかし、そのショートコントは全てが繋がっているというわけではなく、繋がることもあれば短編で終わることもある。あれ?このコントはさっきの続き?ということに気がついて、ハッとさせられることもあり、小気味の良いリズム感が観る者を飽きさせない。

内容的には放射能やコロコロ変わる総理を風刺した内容あり、シュールなナンセンスギャグありと、ジャンルを問わない構成となっている。あくまでも筆者の感想なのだが、笑いのレベルは非常に高い。笑いのレベルが高いというのは、噛み砕いて昇華させる作業が必要という意味で高い。大道具や出演者の話芸といった視覚、聴覚に訴えるものもあれば、あ!なるほど!というようにハッと気づいて笑ってしまう“頭を使って笑う”というシーンがとても多いのだ。(※落ちがわかってしまうのでココで詳細を書けないのはご了承ください!)

◆頭を使って笑うという快感

ここ数年の流れとして、笑いも映画も全てが“わかりやすく”なっている。一昔前のテレビを思い出してほしい。バラエティ番組では、芸人やコメディアンたちの一瞬のボケやネタ、ギャグを見逃すまいと、見る側もそれなりに気合いを入れてテレビを見ていたはずだ。しかし、今ではわざわざ丁寧にネタをテロップで流してくれる親切仕様だ。いつの間にか、我々は考えてテレビや映画、笑いを見ることをしなくなってしまったのでは……とも思う。

今回の舞台はある意味、一昔、二昔前のアングラ演劇やサブカル演劇のような雰囲気が漂う。要するに、パッと見、????となってしまうシーンが多々あるのだ。だが、役者達の動きやセリフ、舞台道具などを目で追い耳を傾け、頭の中でしっかりと練り込めば、きっと手を口に当ててクスリと笑ってしまうはずだ。それゆえに、舞台中よりも舞台が終わった後に改めて舞台の内容を反芻した時に初めて笑ってしまうシーンも出てくるわけだ。この自分の頭で謎を解いた快感、そしてそれが笑いに繋がった瞬間の快感は近年ではあまり味わえない感覚だ。

東京公演は9/19まで。大阪公演は9/23~9/25、名古屋公演は9/28〜9/29。チケットやお問い合わせはイープラス、チケットぴあ、もしくは「ASH&D」http://ash-d.info/ まで。

取材・文/テポドン

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