国策銘柄に絞り2015年前半までに売り抜けろ
―[アベノミクス中間報告書]―
年末のイケイケ相場から一転、世界同時株安に巻き込まれ、日経平均はまさかの暴落に見舞われた。持ち株はどうするべきか、今後の投資にどう臨むべきか。アベノミクス後半戦の見通しを相場の達人たちに聞いた。
⇒【前回】『イケイケ相場から一転「アベノミクス中間報告書」』https://nikkan-spa.jp/592678
◆トレーリングストップで利益を膨らまそう
eワラント証券の土居雅紹氏が勧めるのは、利益が出ている銘柄は上昇にとことん付き合い、下落が始まったら売る「トレーリングストップ」という手法だ。最初から利益確定の目標を決めるのではなく、上昇中は保有を続け、直近高値から一定割合下落したら機械的に売却するのだ。
「直近高値から5~10%下がった位置に売り注文を出しておき、高値を更新したら注文も訂正するのです。これなら損は小さく済み、利益は大きくできます」
すでにかなりの含み損が出ている場合はどうだろうか。
「政府や自治体が予算をつけて推進しているテーマ、たとえば東京五輪や国土強靭化などの『国策銘柄』であれば、復活の余地はあるのでホールドでもいいかもしれません。逆に、見込みがなさそうだったり、失敗だったと思うなら潔く処分して、国策銘柄に乗り換えるのが得策です」
土居氏の予想では、今年は上下を繰り返しながら株価はゆっくりと上向き、’15年夏から’16年春にかけて天井を迎える可能性が高いという。
「これから新規で投資する場合は国策銘柄に絞り、’15年前半までに売り抜けるのがいいでしょう」
国策銘柄なら、不動産・建設関連15銘柄にまとめて投資できるeワラント「首都臨界ワクワク大改造バスケット」に投資するのも手だ。3月3日からはデモトレードコンテストも開催されるという。
下落があったとはいえ、アベノミクスは決して終わってはいない。昨年までとは異なる戦略が必要になりそうだが、儲けのチャンスはまだまだあるのだ。
★土居雅紹氏の見解
直近高値から5~10%下落したら売る「トレーリングストップ」で、機械的に売却。すでにそれを超える損失が出ている場合は原則は損切りだが、「国策銘柄」なら当面はホールドしてもOK!
【土居雅紹氏】
eワラント証券COO。大和証券アナリスト、大蔵省財政金融研究所、ゴールドマン・サックス証券を経て現職。バブル相場での投資術に詳しい「バブルの達人」
取材・文/森田悦子 図版/前之浜ゆうき
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