「若者の『家入より田母神』は興味深い」藤沢数希氏
反原発候補だった細川・小泉コンビが敗れたおかげで、安倍内閣は原発再稼働に向けて大きな一歩を踏み出すことになった東京都知事選。しかし、その投票行動から見えてくる事実とは……?
◆舛添要一東京都知事誕生で原発は再稼働、老人優遇・若者冷遇の政治へ【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)
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◆20代のシェアは全投票者数の1割未満
各年代別の投票先を見てみよう。まだ正式なデータは発表されていないが、過去の都知事選の年代別投票率、朝日新聞社の出口調査の結果から、筆者が推計した。まずは、なんといっても若年層の投票数の少なさが目につく。20代の有権者は3割程度しか選挙に行かず、その結果、全投票者数のなかでのシェアは1割を切る。舛添氏は老人介護や福祉を充実させると訴えているが、これはつまり労働者のカネをもっと老人に移転させるということを言っているにすぎない。政治も商売である。たくさんの票をくれる客を優遇するのは当然だろう。若者たちはこれからも冷遇され続けるのだ。
面白いのは、原発推進と日本の核武装を主張する田母神氏が若者に大変な人気で、家入氏よりも多くの20代の票を獲得したことである。田母神氏は、いわゆるネトウヨ層が支持する候補であったのだが、こうした層が家入氏を支持する層よりも厚いのは興味深い。
【今週の数字】
東京都知事選の20代有権者の投票率(推計)
30%
20代の有権者の投票率は筆者の推計では約3割にとどまる。一方、50代以上では半数以上が選挙に行く。日本の若年層は、ただでさえ人口が少ないうえに投票率も低い
【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人を超える。最新刊『外資系金融の終わり』が発売中物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
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