長期ボランティア 派遣労働より必要とされる被災地へ
震災直後から被災地入りして活動している、一部の長期ボランティアらの処遇がひそかな懸案となっているようだ。
なかには「震災の翌日から現地入りした首都圏の会社経営者で、パソコンで会社に指示を出しながら、活動に励んでいる」(某被災地のボランティアリーダー)というケースもあるが、生活基盤もなく、先行きが見えないまま被災地に住みつき、活動を続けている人も少なくないという。
先のボランティアリーダーは語る。
「実は、派遣切りに遭った後、被災地に流れてきて、持ち金が続く限り滞在して活動を行っている人も多いんです。もちろん先立つのは善意でしょうし、彼らのおかげで助かっています。それに自分が必要とされなかった派遣労働先よりも、必要としてくれる被災地へ……という考えもあるとすれば、理解できなくない。ただ、この先どんな処遇をしていけばいいかわからず、心苦しいという気持ちもあります……」
彼らに「国から給与を支給すべきでは」(休日限定で訪れたボランティア)という声もある。
労働内容は被災地によりけりだが、大部分は瓦礫や、掻き出したヘドロを土嚢(一つ15~20kg前後になる)に入れてひたすら運ぶ作業が朝10時から夕方16時前後まで続く。記者も参加したが、大の男でも数時間で音を上げてしまいそうになる辛さである。
作業後は、「1000円以上のメニューでも1000円で食べられる」という地元カレー店のクーポン券が貰えるなどの特典もあり、ありがたいのだが……。はたして数か月も続けられるものなのだろうか? 震災からまだ2か月。復興を担う長期ボランティアたちの前途も、不透明なままだ。
取材・文/玉
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