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親が、自分が認知症になったらどうする!? 認知症からの再生を描いた感動ドキュメンタリー

『僕がジョンと呼ばれるまで』

『僕がジョンと呼ばれるまで』

「老い」はすべての人にとって避けられない問題だ。高齢化社会のなか、家族の状況によって悩みや不安の種類はさまざまだろうが、そのひとつに「認知症」という問題がある。

「認知症」。老いに伴い、脳の働きが悪くなることによって記憶・判断力の障害などが起こり、社会生活や対人関係に支障が出る状態のこと。いまだに根本的な治療法はなく、認知症になると本人はもとより家族も混乱する。……我々は、この難しい病にどう立ち向かえばいいのか?

 この難題に一筋の希望を与えてくれる映画『僕がジョンと呼ばれるまで』が公開中だ。これはアメリカのとある介護施設を舞台に、平均年齢80歳以上の人々の挑戦を1年にわたって記録したドキュメンタリー。この施設に暮らす多くの人が認知症。スタッフのジョンは、おじいさんおばあさんに毎日「僕の名前を知ってますか?」と聞く。でも、答えはいつも「いいえ」。そんな老人たちがスタッフと一緒になって、読み書きなどの学習をすることで認知症の改善を目指すチャレンジを始める。すると、自分の名前も書けず会話も満足にできなかったおばあさんが、ジョークを言ったり趣味の編み物を始めるように。それは彼女たちの家族やジョンをはじめとしたスタッフたちを笑顔にしていく。

『僕がジョンと呼ばれるまで』 この学習というのは、あの「脳トレ」ブームの立役者で、『年を重ねるのが楽しくなる![スマート・エイジング]という生き方』などの著書がある東北大学の川島隆太教授が中心となって生まれた認知症改善プログラム「学習療法」のこと。簡単な「読み」「書き」「計算」を行うもので、その過程で老人たちの表情が徐々にイキイキとし、“本来の自分”を取り戻していく姿は感動的だ。誰もが、自分の親や子どものことを思い出すことだろう。そして、人間の逞しさや可能性を知るはずだ。

『僕がジョンと呼ばれるまで』 映画は昨年にアメリカで開催された「アメリカンドキュメンタリー映画祭」で最高賞にあたる「観客賞」を受賞したほか、各賞を受賞するなど話題に。この映画のプロデューサー/監督である仙台放送の太田茂氏は「国境を越えて共感を呼び、認知症と向き合うすべての人々にとって希望になると信じたい」と言う。現在、東京都写真美術館ホールほかにて全国順次公開中だ。

●公式HP http://bokujohn.jp
●公式FB http://www.facebook.com/bokujohn

<文/日刊SPA!取材班 写真/仙台放送>

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