外貨eワラントの「半年投資術」で東京オリンピックに勝つ!
「2020年のオリンピックまで相場は安泰」という浮かれムードに対し「実は先行き不透明感が広がりつつある」と先を見越した分析を披露するeワラント証券COO土居雅紹氏。こんなときこそ、外国為替にもレバレッジがきいて少額から投資できるeワラントを用いての「半年投資」が大きな力を発揮するという
◆先行き不透明な今こそ、シンプルに攻めろ!
「FXでも『半年投資術』が極めて有効だと判明しました」
取材冒頭、土居氏はこう切り出した。
「半年投資術」とは、先進国株式市場のアノマリー(特異効果)として見られる「秋に安くて春に高い」ハロウィン効果にもとづいて、土居氏が提唱(下コラム参照)している投資術。「機械的に半年間買うだけ」というシンプルな方法だが、結果的には非常に高いパフォーマンスとなるため、数年ごとに必ず訪れる「市場ショック」「突発ショック」から身を守る「サバイバル投資術」として投資家に普及啓発しているものだ。この「半年投資術」を1998年から今年1月までのドル/円相場に適用したら、見事にピタリとハマった。
日刊SPA!2月5日更新記事で土居氏は、2020年東京五輪まで安泰と浮かれるニッポンを「小泉郵政解散後の状況にそっくり。その後リーマンショックで……」とクールに分析したばかり。そんな先行き不透明な今こそ、ドル/円FXのようなポピュラーな相場に、レバレッジがきいて少額から投資できるeワラントを用いての「半年投資」が大きな力を発揮するという。
◆半年ごとのドル/円で72万円の差
「ドル/円相場の値動きを月別に調べてみたのが<表1>の棒グラフです。とくに8月と10月に大きくドル安・円高に振れ、『ハロウィン効果』とほとんど同じ5月から10月までがドル安・円高、11月から4月末までドル高・円安の傾向。はっきりとした半年効果があります」
グラフは16年間の平均変化率。時期によって振れ幅は違うが、為替はいつも上下している。なのにハロウィンを過ぎた11月からゴールデンウィーク前の4月まで、ずっとプラス(ドル高・円安)というのは驚きだ。
プラス1%といってもドル/円レートは現行で約102円だから約1円。ドル/円相場で1円の値動きは大きい。
「そこで1998年1月の時点で100万円あるとして、全部そのままドルにして16年間運用した『全期間ドル運用』と、ドルが上がる10月末にドルに換えて運用し、4月末に円に戻して運用する『FX半年投資術』を試算してみました」
その結果が<表2>の緑のグラフ。16年間にドル/円相場は1ドル127円から102円まで約25円、2割以上円高になっている。だから1998年の100万円をドルにしてそのままタンスにしまっておいて円に戻せば、80万円以下になってしまう。
だが、実際には外貨のドル預金なら金利がつくし、レバレッジ1倍でもFXならスワップ金利がある。そこで、FXでの業者間短期金利を複利で運用したとして試算すると100万円が約122万円になるという。
これだけでも十分と思えるが、年率にすればわずか1.25%。しかし、年に2回機械的にドルと円に換金する「FX半年投資術」だと約194万円、年率なんと4.24%でその差は72万円にもなった。
◆米FRB、日銀の動向からも「半年投資術」は有効
「こういう試算をすると、『どうしてその期間なんだ』とか『いままでそうだからといって今年そうなるとは限らない』と言う人が必ずいます。ですが今回のハロウィン以降を見ても、まずドル高に動いて、米FRBの量的金融緩和縮小の決定などもあっていったん落ち着いてからまた上がり始めています。
2月には日銀も、現行の異次元緩和継続を決定。ゴールデンウィークまで大きな動きはなさそうです」
ならばこの3月12日頃は、残りわずかなチャンスの時期となる。
一般のFX(外国為替証拠金取引)は、大きな値動きがあった場合、損失が膨らんでしまう。相場がいくら動いても損失が数千円からの投資金額に限定される外国為替eワラントなら、投資そのものが初めてのビギナーにもとっつきやすい。利益確定まで1か月ちょっとと結果がすぐわかるし、「FX半年投資術」=為替eワラントへのデビューの絶好のチャンスだ。
◆GW過ぎたら「プット」で積極運用も
この時期、おすすめはもちろん「米ドルコール」。といっても銘柄の豊富さがeワラントの特長で、権利行使価格、満期日が異なる「コール」が21本ある。
「こうした機会に比較検討すると、eワラントの理解が深まります。満期までの期間が長いほうが時間経過の影響が少ないので数か月保有する投資に適していて、コールなら権利行使価格が高いほうがリターンは大きい。私がすすめるのは『568回』ですが、個々の好みに合わせて選ぶのがいいでしょう」
もうひとつ、こんな方法もある。
「試算したFX半年投資術は『4月末に円に戻して運用』。ですけど、より積極的に運用したいなら、ハロウィンまでは『米ドルプット』もいいかもしれません」
「半年投資」は、寝かせても積極的にいっても“e”ワラントがよさそうだ。
【ド素人のためのeワラ基礎知識】
株式、複数の株をセットにしたバスケット、金などの商品、日経平均などの指数、ドル円をはじめとする為替と、幅広い投資対象が選べるeワラント。一見複雑そうだが、投資対象が値上がりすると思ったら「コール」、下がると思えば「プット」を、リスク(トウガラシの本数で示される)とレバレッジ(値動きの大きさ)を考えて選べばいい。あとは値動きを見て売却するか、満期で清算されるのを待つだけだ。
直接投資には最低数十万円必要な大型株へも3000円程度から投資できるし、先物取引のような追証がないから投資額以上の損失もない。ビギナーにもぴったりな「投資のバッティングセンター」(土居氏)だ。バリエーションとして日経平均/米ドル相場がいくらになるか予想して投資してレバレッジがきく「ニアピン」、国内外の株価指数、為替相場、商品相場を対象に満期まで数年の中長期投資ができる「トラッカー」(レバレッジなし)、今回「一本決め」に取り上げた「レバレッジトラッカー」がある。
★3000円から投資可能
★値上り=コール/値下り=プット
★最大損失も投資額まで
【コラム】「ハロウィン効果」と「半年投資術」
土居氏は著書『勝ち抜け! サバイバル投資術』(実業之日本社刊)で、機械的にハロウィンからゴールデンウィークまで買う「半年投資術」を紹介。たとえば「11月に買って4月に売り、それ以外は安全資産にしておく」ルールで日経平均に投資したとすると、全体では1990年12月末から2011年6月末の20年半で60.1%下落した相場にもかかわらず35%プラスになるという。’12年秋から’13年春は、日経平均で8928円29銭から1万3860円86銭の+55.2%。
欧米市場で知られる「秋に安くて春まで高い」というハロウィン効果といわれるアノマリー(特異現象)は、先進国の市場で多く見られ、新興国では顕著ではない。「プロアマ問わず投資家が夏から秋にリスクを採らない」「ヘッジファンドの行動パターン」「夏にクーデターや戦争が多い」など諸説あるが、理由を特定はできない。それでも氏は「役に立つものは使っていくことが個人投資家の特権です。ぜひ活用していただきたい」(同著P196)という。
【土居の1本決め!】
<銘柄>米ドルコール568回
◆いますぐ買って4月終わりに売る
「銘柄の多い米ドルFXですから、eワラントの選択肢の豊富を活かしたい。いますぐ買うなら11月満期で権利行使価格『101円』の『米ドルコール 568回』がベストでこれが『一本決め!』。満期は11月でも、下がり始めるゴールデンウィーク前に売ってください。今のレート約102円より低い権利行使価格『101円』でも不安だという人は、『88円』の『567回』がいいでしょう。やはり4月末に売ってください」(土居氏)
『勝ち抜け! サバイバル投資術』 中国バブル崩壊、米国発世界恐慌…ミッションは生き残り。日本と世界のこれから、次のバブルの見つけ方、グローバル経済時代の攻めと守りの最善手を、プロ中のプロが説く |
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