高金利通貨、南アの「ランド」がアツイ!?
―[新興国FX鉄板スワップ投資術]―
極端な新興国通貨安が進んだことで仕込みどきが到来! 各国で利上げが行われ、割安で高スワップ通貨を買えるようになったのだ。アベノミクスが再始動すれば、為替差益も期待大。放ったらかし投資術ここに極まれり!
⇒【前回】『新興国通貨の仕込みどきは?』https://nikkan-spa.jp/604843
◆もう一段下のレンジまで円高進行する可能性も!?
値動きの激しいのが新興国通貨。少しでも安く仕込まないと、痛い目に遭う。そのタイミングはいつなのか。
「消費増税の影響などから、3月以降は、もう一段下のレンジに円高が進む可能性もあります。そのときは新興国通貨と円の通貨ペアも下がるはず。慌てて買いポジションをとるのではなく、円高になるのを待ったほうが安く仕込めるかもしれませんね」(マーケットストラテジスト・山本雅文氏)
まとめ買いするのではなく、複数回にわけ、直近の安値などを確認。チャートの節目に少しずつ仕込むのが得策か。
「日銀の追加量的金融緩和、法人税減税の決定などを実施してアベノミクスが再び脚光を浴びれば、アベノミクスポジションも再構築されます。そうなれば、新興国通貨も上昇するでしょう」(グローバルインフォ代表取締役の和田仁志氏)
仕込みどきを逃さなければ、新興国通貨はスワップ金利も為替差益も狙えるというわけだ。
◆注目の新興国通貨
【ブラジルレアル】
昨年4月から続いた金利引き上げは打ち止めが近そうだが、10.75%の高水準で金利面の妙味は大きい。今回の通貨安を受けて、本格的に財政赤字や高インフレなどにも対策を打っており、景気が改善される可能性も高い。また、今年はワールドカップ、2年後には五輪を控え、この2大イベントでさらなる経済成長に期待が集まる
【トルコリラ】
今回の“ショック”を受け、1月末に緊急利上げを敢行。政策金利はなんと12%へ。ただし、首相が中央銀行に口出しして利上げに横ヤリを入れるなど政治面がリスク。また、トルコリラは値動きが激しいので、なるべく底で買いたい通貨。もし買うのであれば、与党が3月末の地方選挙を無難に乗り切るのを待ってからか
【メキシコペソ】
生産量が低下していた国営石油会社の民営化を進めるなど、若手改革派のペーニャ・ニエト首相の手腕が世界的に注目を集めている。政策金利は過去最低水準の3.5%と妙味薄だが、ニエト首相の改革が成功すればメキシコ経済の躍進、さらにはペソ高が期待できる。国境を接する米国の景気拡大の恩恵を受けやすいのも好材料だ
【南アフリカランド】
1月に5年半ぶりの利上げを行い、政策金利は5.5%に。低成長率&高インフレに悩まされており、年初来最も下落した新興国通貨の一つ。逆に言えば、割安度は非常に高まっており、さらなる下値不安は少なく、さらに金利引き上げ余地はまだ残しているので、買いか。日本の多くのFX会社も取り扱っており、トレードしやすいのも◎
【和田仁志氏】
グローバルインフォ代表取締役。シティバンクやスタンダードチャータード銀行で為替ディーラーとして活躍。精度の高い分析に定評あり
【山本雅文氏】
マーケットストラテジスト。プレビデンティア・ストラテジー代表取締役。日本銀行やバークレイズ銀行で活躍後、独立。日銀時代は為替介入の現場にいたこともある
取材・文/高城 泰(ミドルマン)
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