円高は100円割れたら95円まで早い!?
資料参照>。ただし、すぐにドル急落となったわけではなかった。高値からのドル反落が5%以上に拡大するまではある程度時間がかかった。ただ、反落率が5%を超えると、一気にドル下落は加速に向かった。このパターンを今回に当てはめると、100円がやはり大きな分岐点になりそうだ。
◆ドル下落率5%が重大分岐点になってきた
過去3回のドル高トレンドのピークは1998年8月の147円、2002年1月の135円、2007年6月の124円。この後ドル安・円高が中期的に広がるところとなったわけだが、それにはある程度時間がかかった。一つの共通点は、ドル反落率が5%以上に拡大するまでは一進一退が続いたということだ。
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たとえば、2007年にドル反落率が5%を完全に上回るようになるまでは約2か月かかった。2002年の場合は約3か月もかかった。1998年の場合も、1か月近くかかった。ただもう一つの共通点は、ドル反落率が5%を完全に上回るとドル下落は急拡大に向かい、基本的に反落率は10%前後へ一気に拡大した。
これは、中期的に展開したドル高・円安は、終了した後もすぐにドル安・円高へ急転換したわけではなかったことを示している。そして、反落率が5%以上に拡大したところで、ドル高の終了、そしてドル安への転換との見方が一般化し始め、ドル安・円高に弾みがついたということではないか。
さて、これまでのドル高値は1月2日の105円だ。このドル高値から5%のドル反落は100円程度になるが、すでに反落率が5%未満にとどまる中で3か月近く経過してきた。ただ、これまで見てきた過去のパターンを参考にするなら、そろそろドル反落率が5%以上に拡大するのは時間の問題になっている可能性がある。105円の高値から10%のドル反落なら95円割れという計算になる。
2007年の場合、いわゆるパリバショックなどをきっかけに、ドル高終了から約2か月後、ドル反落率が5%を完全に上回ってくると、ほんの一週間程度で反落率は一気に10%程度へ急拡大した。
これを参考にすると、今回の場合も、何かのきっかけで100円を割れたら一気に95円割れを目指すようなドル安・円高急加速が起こる見通しになるが、果たしてどうか?(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
●毎週動画 http://www.m2j.co.jp/fx_channel/
●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/
過去のドル高は、日米生産者物価購買力平価をある程度上回ると一段落し、ドル安へ転換した<
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