「震災復興?」必要のない建物が建設されようとしている

東日本大震災から3年がたち、少しずつではあるが被災地は復興への歩みを進めていっている。そんななか、ぐっちーさんはあえて今の復興に苦言を呈する。本当の意味での復興を勘違いするな、という言葉の本意とはいったい!?

◆言葉だけの震災復興なんて本当の復興ではありません!【後編】
(現役金融マン ぐっちーさん)


⇒【前編】「言葉だけの震災復興なんて要らない!」はコチラ

 今や「自民党バブル」で、必要のない建物が震災復興の名を借りて次々と建設されようとしています。原資はもちろんみなさまが払っている震災復興税。例えば……、ある市では、収容人数600人の公民館が津波に流され、現在それを拡大して収容人数1200人の新しい公民館をつくろうとしています。これが東京にいる「有名な」建築家が持ち込んだ震災復興のアイデアで、地元の人たちの「癒し」の場をつくるのだそうです。

 しかし、震災前の600人収容の公民館は建築後過去15年にわたって満員になったことが一度もない。それはデータがはっきり残っています。高齢化が進む被災地で倍の人数の公民館を新設することに意味があるのか?という問いには彼らは答えないのです。

 というのも、彼らは建設・設計に携わってしまえば後は終わり。自分たちは「ボランティア」で一銭ももらっていない、と言えば聞こえはいいですが、そんな妙な「墓石」をつくられてしまって、その後のメンテナンスをするコストはすべて地元の負担になるのですよ。その負担を押し付けて自分たちだけ偉そうな顔をしてそれが「復興に貢献した」なんてよく言えるなと思います。

 大事なのは地元の貴重な土地に立てた建物がお金を生み続けるかどうかなのです。これがお金を生み続けるなら修繕費も出ますし、税金も納められる。そして最終的には人が集まってお金を落とす施設として雇用も生み、納税も果たし、周辺の土地価格が上がる。これこそが本当の震災復興なのです。

【今週の数字】
現在の震災避難者数
約28万人
当初約47万人いると言われた避難者は現在約28万人となっている。しかし、ほとんどがまだ仮設住宅に入居した状態が続いており、本当の復興への道はまだ険しい

震災復興

維持管理・更新費の将来見通し(市町村)を見ると、'30年には倍以上の費用がかかることになっている。将来、無駄な建物を多く造ったツケが回ってきそうだ

【選者】現役金融マン ぐっちーさん
ウォール街で20年生きてきたノウハウからブログを執筆するアルファブロガー。金融と経済を中心としたオピニオンブログ「THE GUCCI POST」(http://guccipost.jp/)を主宰している

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