お金

投資家の“負け癖”を徹底研究

アベノミクスが一段落した途端に、含み損を抱える生活に逆戻り。そんな「負け癖」を持っていないだろうか? 勝てない投資家心理に共通する原因と対策、その逆を狙って勝つ方法を専門家に聞いた。 ◆なぜ損切りは難しく、利は伸ばせないのか? 「投資で失敗する人は共通の”負ける投資家心理”を持っています」  そう指摘するのは、カブ知恵代表の藤井英敏氏。 「“株は儲かりそう”という漠然としたイメージだけで市場に参加してきて、買いたいと思ったときに買ってしまう。何のルールも持たずに根拠のない相場観だけで売買してしまうのです」  藤井氏によると、人間の脳は損をしやすくできている。たとえば買値から株価が100円上昇すると早く利益を確定したくなるが、逆に100円下落すると「待っていれば戻るかも」と先送りしてしまう傾向にあるのだ。  結果として、感情に従って売買することで利益が限定されてしまう代わりに、損失は大きく膨らんでしまい、トータルで負けてしまうのだという。
田嶋智太郎氏

田嶋智太郎氏

 一方、経済アナリストの田嶋智太郎氏も、勝てない投資家の心理について「常に自分に都合のいい解釈をして、判断ミスを認められない」と分析する。 「例えば日経平均が1日で400円下げたら、なんとなくお買い得感を感じて買ってしまう。そこからさらに下げた場合は潔く失敗を認めて損切りすべきなのですが、相場には悲観論だけでなく反発を予想する楽観論も当然あるので、都合のいい情報だけを信じてしまうのです」  藤井氏も田嶋氏も、負ける投資家は明確な売買ルールを持っていないために損切りができず、利を伸ばしきれないという点で意見は一致している。 ◆チャート分析力を高め無駄な主観を排除せよ
投資

チャートは市場心理を映す鏡だ

 田嶋氏は、感情や相場観を排した売買シナリオを決める材料として、チャートの活用を勧める。 ⇒【イメージ図】チャートは市場心理を映す鏡
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=626050
「チャートは市場の歴史や参加者の心理をそのまま映し出す鏡のようなもの。記憶や経験値を根拠にしたあいまいな逆張り投資ではなく、チャートが示すルールに従って順張り投資するほうが失敗は少ない。そして、『頭と尻尾はくれてやれ』という相場の格言が示すように、相場の底や天井は狙いにいかないことです」 「そろそろ底を打つのではないか」といった根拠のない相場観ではなく、前回安値で反転したり、明確に上昇に転じたのを確認してからエントリーするだけでも失敗は格段に減るという。  利益確定も「半値戻しは全値戻し」という相場の格言にあるように、いったん下がった株価が50%まで戻したなら、利益確定を焦らず100%を視野に入れよう。50%を超えてきたらチャートの節目になりやすい61.8%を次の目標に据え、上昇が止まるまで目標を更新していくのがポイントだ。売却するのは、目標に到達した時点ではなく、“目標を超えられない”と判断できたタイミングがベストだという。 「チャートをうまく活用できれば主観を排除できるうえ、チャンスは増える。勝ちのシグナルが見えてくるのです」 ⇒【次回】「NISAこそ大化け株を狙え」に続く
https://nikkan-spa.jp/625062
【田嶋智太郎氏】 経済アナリスト。南青山経済研究所を主宰。株、為替のストラテジストとして高い評価を得る。近著に『日本経済沈没!今から資産を守る35の方法』 【藤井英敏氏】 カブ知恵代表。日興証券、フィスコを経て’05年にカブ知恵を設立。大型株から超小型株、IPOまで幅広くウオッチし、投資情報を提供している ― 再入門![負けない投資]心理学【1】 ―
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