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夫にDVの傾向が…離婚を考える女性派遣社員へのアドバイス

【佐藤優のインテリジェンス人生相談】
“外務省のラスプーチン“と呼ばれた諜報のプロが、その経験をもとに、読者の悩みに答える!

◆「離婚前に一人で生きていけるよう資格を取りたい」
sakura(ペンネーム) 派遣社員 女性 31歳


30代, DV, 恋愛・結婚, 資格, 離婚 今の旦那と結婚して2年目ですが、喧嘩が絶えません。私がたまに友人と飲んで帰りが遅くなると不機嫌になり、言いがかりをつけてきてはキレます。言葉だけならいいのですが、半年ほど前から物を投げつけてくるようになりました。食器、イスなどを投げられたことがあります。そのうちDVに発展するのは目に見えています。

 私は近い将来、離婚することを決めました。しかし、実家は妹夫婦が越してきたこともあって帰れません。一人で生きて行くために、何か手に職をつけたいと思っています。不本意ながら今の旦那に養ってもらいながら、資格を取りたいと思っています。女性が一人で生きていくには、どんな資格を取り、離婚に向けてどんな準備をしたらよいでしょうか? アドバイス頂けますと助かります。

◆佐藤優の回答

 どうも人間は、年をとるにつれ、身体が時間に追いつかなくなるようです。芥川賞作家の藤原智美氏はこう言います。

<高齢者のほうが子供より体内時計の進み方が遅い。体内時計が遅いと、現実の時間が早く感じられる。逆に子供は体内時計が早く進むため、現実の時間を遅く感じる。歳をとるごとに時間が早くたつと感じる理由は、そこにあるのだという。

 身体が時間に追いつかない、そのような焦燥感が、予期せぬ「待たされる」時間に遭遇すると、自分を見失うほどに怒りに転化する。病院や駅や銀行で「待たされる」とき、日ごろかかえている焦燥感が発火点になる。>(『暴走老人!』73~74頁)

 あなたの御主人は、待つことが苦手なようです。半年前から物を投げるようになったというのは、既に赤に近い黄信号です。初期のDV(家庭内暴力)であるということを冷静に認識しておいたほうがいいと思います。このままだと大けがをするのは時間の問題です。刃物が飛んできて、刺さる場所が悪いと命を失う危険すらあります。将来、離婚するというあなたの決断は正しいです。ただし、現在の夫に扶養してもらいながら、資格を取るという考えは、二重の意味で甘いです。

 第一に、一緒に住んでいる夫は、あなたが内心、離婚を考えていることに気づきます。そういう男は執拗にセックスを求めてきます。あなたが拒絶し続けると、相手は暴力を行使するようになります。DVになるのが嫌なのでセックスを続けていると、妊娠して、生活設計が変化する可能性があります。

 第二に、資格を取ったからといって、それがすぐに正社員への就職やキャリアアップに繋がるわけではないからです。最難関資格である法曹資格や公認会計士試験に合格しても、運が悪いと年収100万円程度の低賃金しか得られません。

 まず、あなたの両親に、夫にDVの傾向があるので離婚するということを伝え、実家に戻る許可をもらいます。そして、必要な荷物を実家に移動してから、夫に離婚するという意思を伝えます。夫が強く未練を持つようでしたら、直接協議することは避け、弁護士を間に立てるといいでしょう。あなたが住んでいる都道府県の弁護士会に電話をすれば、離婚調停に詳しい弁護士を紹介してくれます。お金もそんなにかかりません。

 資格を取るよりも、安定した収入源を確保することが重要です。あなたは派遣社員ということですが、身分は安定していますか? 身分が安定しているならば、当面、今の仕事を続け、正社員の道を探すことです。不安定ならば、ハローワークを使って正社員の職を探すことです。零細企業を丹念に探せば、必ず見つかります。あるいは、結婚相談所に登録して、婚活を行って、バツ1のよいパートナーを見つけ、専業主婦になるという道もあります。

【今回の教訓】
夫はあなたの離婚願望に気づきます

◆募集
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【佐藤優】
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『読書の技法』『日本国家の神髄』など著書多数 (※写真はイメージです)

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