変幻自在のアイドルユニット・BELLRING少女ハート、主演映画公開でメンバーと監督を直撃!
2012年に結成され、いま一番勢いのある変幻自在のアイドルユニット「BELLRING少女ハート」【通称:ベルハー、メンバーはTIRA(現在、台湾帰国中)、朝倉みずほ、仲野珠梨、美月友華、宇佐美萌絵、柳沢あやの、カイの7人】が初主演を果たした『BELLRIGN少女ハートの6次元ギャラクシー』が完成。
吉祥寺バウスシアターのクロージング作品としての公開を前に、メンバーの仲野と美月、そして本作でメガホンをとった、『山形スクリーム』『怪談新耳袋 異形』『めめめのくらげ』『ヌイグルマーZ』などの脚本家としても活躍中の継田淳監督の3人を直撃した!
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黒いセーラー服に黒の羽根を着け、ライブハウスで対バンも行うなど、アイドルの域を超えた「BELLRING少女ハート」のらしさが光る本作は、楽しくてシュール。物語の幕開けはライブ会場。ステージ上で観客に向けて撃つピストルが本物にすり替えられ、観客を射殺してしまう。身代わりで逮捕された大切な仲間のひとりであるBUTCHは宇宙人に誘拐され、ベルハーのもとには謎の地図が残された。BUTCHを救うため、ベルハーは冒険へ。そこには宇宙人、殺人鬼、モンスターが入り乱れる6次元の世界が待っていた!!――というストーリー。
摩訶不思議な世界に観客を引きずり込む本作の撮影現場の様子を振り返ってもらった。
――継田監督、今回の作品を撮られたいきさつと、“ベルハー”を主演に迎えた理由を教えてください。
監督:去年の夏ごろに、おもしろいアイドルがいるんだよと、企画・配給・宣伝のTRASH-UP!!さんからアルバムを渡されたんです。僕は意識的にアイドルを観たり聴いたりするほうではないので、半信半疑の状態で聴いてみたんです。そしたら彼女たちのパワーや特異さにビックリして。それでライブに行ってさらに衝撃を受けたんです。そこから、この子たちが跳ね回っているだけで映画が1本成立しちゃうんじゃないかなって。
――かなり不思議な世界が展開しますが、この物語にもっていったのは、もともと監督の好きな世界観だからですか?
監督:それもありますね。いまだとリアリズムが大事にされるので、そこで省かれてしまうような80年代っぽい楽しいSFファンタジーのエッセンスを、アナログ感を大切にしながら再現したいなと。それが“ベルハー”だったら成立するんじゃないかと思ったんです。
――仲野さん、美月さんは映画主演と聞いたときの感想は?
美月:「映画撮るよ」ってさらっと言われたんですよ。うちのディレクターの田中さん(←本編にも出演)に。だからウソでしょーって。みんなであんまり信じてなかったというか。
――それがだんだん話が現実的になっていった?
仲野:そうですね。でもギリギリまで実感なかったです。映画いついつから撮るよって言われても、そうなんだ~って。
美月:映画撮るって言っておきながら別のことやるんじゃないかとか思ってて。でも監督に会ったりするようになって、ホントに撮るんだ!って(笑)。
監督:そもそも脚本を読ませてないですからね。
――えぇ!? そ、それはどういうことですか??
監督:“ベルハー”のディレクターさんにはお渡ししてたんですが、撮影の直前に、「脚本読ませてないんですけど、いいですよね」って言われて。僕も、あ、そうですね、いいかなって(笑)。
仲野&美月:そうだったんだ!
仲野:もともとそういう段取りなのかと思ってた。田中さん(※「ベルハー」ディレクターの田中紘治氏のこと)のせいだ!
監督:でもそのほうが実際、“ベルハー”の持ち味がでるなと。ちゃんとセリフを覚えて稽古してってやるよりもその場でセリフや設定を言ってやったほうが絶対におもしろいと僕も思えたので。それで、当日その場でじゃあこのセリフ、このセリフってあげて、ヨーイどん!で。そしたら彼女たちが……。
仲野:できてましたか?
監督:いい味、醸し出してました。
――仲野さんと美月さんは初めての映画で難しくはなかったですか?
仲野:逆にやったことがなかったから。セリフ覚えもないし、監督も優しかったからやりやすかったです。
美月:なんかスルっと撮っていきました。
――物語の設定についても、BUTCHさんが宇宙人に誘拐されて6次元に助けに行くくらいの説明だったんですか?
美月:そんな感じでした。だからうちらも完成した作品を観て、こんなんだったんだ~って(笑)。
監督:撮影の順番もバラバラですしね。ただ彼女たちはアドリブをぽんぽん出してくれたので、そのアドリブで出たセリフに合わせてちょっとストーリーを変えたりといったやり方もできました。
――具体的にはどんな場面ですか?
監督:車に乗ってドライブしているところとか。
仲野&美月:あ~!
監督:背景は後で合成するので、何も動いていない車に乗ってやってもらってるわけです。そしたらめいめい勝手に、鹿がいるとか、熊がいるとか言うんですよ。だから特撮のときに鹿や熊のミニチュアを加えたりと、セリフに合わせて内容が膨らんでいきました。おかげですごく可愛らしい場面になったと思ってます。
――仲野さんと美月さんは、緊張はなかったんですか?
美月:車の中にはメンバーしかいなくて、スタンバイの間に話しているうちにいつもの楽屋みたいな雰囲気になっちゃって(笑)。
仲野:そうそう。ここ、右に曲がるよ~とかって言ったら体をみんなで傾けて。
仲野&美月:わ~!
仲野:左に曲がるよ。
仲野&美月:わ~!
美月:本当にそんな感じでした。
監督:放っておいたほうがうまくいくので、僕は演出するというよりも観察している感じだったかもしれないです(笑)。
――撮影が難しかったシーンはありましたか?
美月:走ったとき。
仲野:それだ!
美月:怪獣に追われてるんですけど、走る順番が決まっていて、前の人を追い抜いちゃいけないんですよ。後ろを振り向いて、追いかけてくる!みたいなことを言いながら、逃げるんですけど。
仲野:実際には前には走ってないんです。グリーンバックの撮影だからその場で足踏みしてる感じで。
美月:ずっと撮ってるうちにおもしろくなっちゃって。ニヤニヤしちゃった。
仲野:怪獣に追いかけられてるのに、にやけてるんです(笑)。
美月:しかもそれが撮影の初日だったよね!
監督:初日にいきなりグリーンバックで怪獣に追いかけられる場面をやってもらったんです。でもハイ!っていったら、みんなやってくれるんで。ある意味、ごっこ遊びをするみたいな感じでさらっとやってくれました。
仲野&美月:楽しかったです!
※【後編】に続く⇒https://nikkan-spa.jp/643079
●公式HP:http://brsh-movie.com/
<取材・文/望月ふみ 撮影/山田耕司>ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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