K‐POPアイドルはなぜ幸せになれないのか?【後編】

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私生ファン

もちろん私生ファンはごく一部。純粋にライブ会場でパフォーマンスを楽しむファンがほとんどだ

韓国芸能界が抱えているもう一つの問題点が、一部のファンによる“ネット監視”だ。日本でも芸能人の熱心なファン、いわゆる「追っかけ」は存在するが、韓国ファンのスターに対する応援ぶりは度を超している。韓国アイドルや芸能事務所にとって、プライベートまで盗み見しようとする「私生ファン(サセンペン)」の存在は頭痛の種だという。

「私生ファンとは公式スケジュール以外の私生活を執拗に追っかけるファンのことです。移動時にタクシーで追跡したり、宿舎の前に張り込んだり、ときには玄関まで入ってくる。私生ファンは追っかけた成果をブログやSNSにアップするので、芸能人の私生活は白日のもとに晒されてしまいます。さらには私生ファンを乗せる“私生タクシー”も存在し、客待ちで稼げない時間帯などに芸能人の情報をファンに教えることもあるのです」

こうした行きすぎたファンの存在のせいで、芸能人たちは徐々に精神を蝕まれていく。ただでさえ仕事では壮絶な芸能界の席取り合戦があってハードなスケジュールをこなすのに精一杯なのに、移動時間や宿舎まで追っかけまわされたらたまったものではない。心の底から休める時間がほとんどないのだ。

「自殺が相次ぐ韓国芸能界では、ここ数年だけでもチャン・ジャヨンさんに加え、俳優のパク・ヨンハさん、人気歌手グループ・sg WANNA BE+の元メンバー、チェ・ドンハさん、女子アナのソン・ジソンさんなどが相次いで他界しています。自殺の大きな要因になっているのは、やはり韓国のネット監視社会です。整形や熱愛疑惑から始まって、セックス接待や兵役逃れのための仮病説まで。ネチズン(ネット市民)と呼ばれるネットユーザーから、難癖に近いバッシングを浴びせられるのですから」

煌びやかに見えるK―POPの世界にも、光と影は確かに存在するのだ。

取材・文/スギナミ


【参考図書】
『韓流エンタメ日本侵攻戦略』

小野田 衛・著 扶桑社新書 本体720円+税

日本の若者たちはなぜK-POPに熱狂するのか?日本人が知らない韓流ビジネスの正体、韓国芸能界の裏側を徹底した現地取材をもとに考察。




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