第1位は大戸屋!外食のプロが選ぶ【優良チェーン店ランキング】
―[こんな外食店に行ってはいけない]―
「ここ10年間で日本の外食産業は大きく変わってきています」と語るのは、近著『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』がベストセラーとなっている河岸宏和氏。昨今、食品偽装事件などで食の安全が問われるなか、海外からの輸入加工品のシェアが急増している。こうした現状に対して、「食品業界を知り尽くした男」との異名を取る河岸氏が優良と認めるチェーン店とは?
◆外食を知り尽くした男選定「優良チェーン店ランキング」
<第1位>大戸屋
「厨房でひとつひとつ手作りしているため、何を食べてもチェーン店とは思えないほどクオリティが高い」と河岸氏がイチオシするのが、定食でお馴染みの大戸屋。「食べ物はなんでも『できたて』がおいしいんです。この店はそれがわかっているので、できる限り手作りのできたてを提供してる。焼き魚などもおそらく冷凍品を使っていると思うのですが、焼き方がうまいのでおいしく食べることができる。ファミレスと同じ価格帯でこのパフォーマンスならば、文句なしです」
<第2位>サルヴァトーレ・クオモ
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第2位にランクインしたのが、宅配も行うイタリアンのチェーン店のサルヴァトーレ・クオモ。「ほかのイタリアン系のチェーン店だと、チーズはチーズフード、ハムは成型肉などを使うお店が多いなか、ここのお店ではチーズやハムは本場の食材を使用しています。また、料理に使う野菜や肉・魚なども国産の食材にこだわっているので、おいしいですね」と河岸氏。外食チェーンにしては単価は比較的高いものの、値段の割に良い素材を使っている優良店といえそうだ
<第3位>ロイヤルホスト
低価格競争で仕入れ品の利用が進むファミレスだが、最近、そんな潮流に負けず、きちんと店内で調理する店が頭角を現している。その代表例がロイヤルホスト。「いい素材をしっかり店内で調理する店は消費者にもわかる。ほかのファミレスとは料理の質が違います」
<第4位>カレーハウスCoCo壱番屋
特徴は、小鍋で一人前ずつカレーを温める点。「実はこれこそがココイチをお勧めする理由」と語る河岸氏。「チェーンのカレー店では大鍋で温めて出す店が多く、最後のほうはカレーが煮詰まりすぎてしまう。でも、同店のカレーは味のバラつきがなく信頼できます」
<第5位>餃子の王将
老舗餃子チェーンが堂々のランクイン。「餃子は時間がたつと皮が餡の水気を吸ってしまってまずくなる。だから、包みたての状態が一番おいしい」と語る河岸氏。常に包みたての餃子をお客に出すように徹底する王将のスタンスが、今回の評価につながったようだ
<第6位>和幸
外食のなかでも当たり外れが少ないといわれるとんかつ。そのとんかつチェーンのなかでも「特においしい」と河岸氏が太鼓判を押すのが和幸。「きちんと肉を切って、パン粉をつけて揚げるだけでなく、パン粉まで店内で手作りしています。その姿勢が素晴らしいですね」
<第7位>がってん寿司
チェーンの回転寿司屋に行くならば、「職人がオープンキッチンで握ってくれるところのほうがおいしい」と語る河岸氏。「オープンキッチンでしっかりした職人が握っているチェーン店なら、がってん寿司が一番。価格は100円寿司より少し高いですがそれも納得です」
【選評】
上記で挙げられたどのお店にも共通するのは「素材にこだわり、店内でちゃんと作っていること」。おいしいものを食べたい客にとってはもちろん大事なことだが、実は店舗で働いている従業員にとっても非常に重要だという。
「こういう店の従業員は、仕入れ品ばかり使って単純作業しかしない店の従業員に比べて、学びがあるから、成長する。そのなかで、新たな発見や改善を生み、味以外の面でもどんどん店がよくなっていくんです」
上記のチェーン以外にも「独自の手法を用いてチキンを揚げる」というケンタッキーフライドチキンや、「店内で製造する自家製麺を使う」という丸亀製麺などは河岸氏が太鼓判を押す。
【河岸宏和氏】
食品安全教育研究所所長。「農場から食卓まで」の品質管理を実践中。最新刊『「外食の裏側」を見抜くプロの全スキル、教えます。』(東洋経済新報社)がベストセラーとなっている
取材・文・撮影/SPA!外食店取材班 イラスト/渡辺貴博
― こんな外食店に行ってはいけない【11】 ―
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