スカパラは「スペイン大統領よりカタルーニャ語がうまい」と評されたことがある
いまや日本人にとって「スカの代名詞」になったバンド・東京スカパラダイスオーケストラ。他アーティストとのコラボや、大規模な海外ツアーなど、道なき道を進み続けた彼らは今年、結成25周年を迎える。バブル末期の日本に生まれた彼らの道のりはメンバーの急逝など、決して平坦なものではなかった。だが、圧倒的な熱量をキープし続け、現在は世界中にそのサウンドを響かせている。9人を代表してオリジナルメンバーの川上つよし、谷中敦、’01年から加入の茂木欣一に話を聞いた。
本格的に海外でのツアーを行うようになったのは、’00年末のヨーロッパから。機材トラブルなどもしょっちゅうで、「加藤(隆志)なんか、ギターの音が出なくなって、ギターを脇に置いて急にステージで踊り出したりとか(笑)」(川上つよし)と、トラブルを楽しむぐらいの心構えが必要になってくる、という。
「ほかのバンドを見てても、そういうツアーをやってるバンドは強い。ハートも強いし、演奏力も全然違いますよね。バンドの呼吸もぴったりだし」(茂木欣一)
特に印象的だった海外でのライブを尋ねると、「レディオヘッドの裏で最初、客が全然いない事件」という答えが返ってきたが、そのような逆境もなんのその、「スカパラはもともとアウェーだと燃える体質なんですよ」(川上)とのこと。
「確かに逆境こそ燃えるね。たぶんヨーロッパツアーでそういう経験をいっぱいしたからでしょうね。お客さんは誰も僕らを知らない。でも、逆にわかりやすいんですよ。スカパラを知らなくても、その瞬間、その時間だけのパフォーマンスですべてが評価されるってことだから」(谷中敦)
ちなみに、ツアー中は毎日、別の国でライブをやることもしょっちゅうだそうで、「『今日のMCは何語だったっけ?』ってなりますよ。ベルギーのなかでもオランダ語とフランス語を話す人がいるし、スイスとかも言語が入り混じっているから大変で……」(谷中)とのこと。
「谷中はバルセロナでライヴをやったとき、現地の新聞に『スペイン大統領よりもカタルーニャ語がうまかった』って書かれたよね(笑)」(川上)
なんともワールドワイドな活動を続けるスカパラならではのエピソードだ。
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<本誌構成/結城雅美 撮影/水野嘉之 再構成/SPA!編集部>
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