人生狂った高学歴・地下アイドル…スポットライトに魅せられて
“アイドル”は人を狂わせる。それは、アイドルのファンになってしまった側は言わずもがな、アイドルを名乗る側もである。そう、アイドルは今もはや、“名乗ればなれる”、なるだけならば簡単になれる。地下アイドルとして活動するならば、社会人がバンド活動をするくらいの感覚でできてしまう。容姿もピンキリ、ぽっちゃりを通り越した豊満や、子持ちも珍しくない。しかし、そんなピンキリの中には、スポットライトに魅せられて、端から見ると冷静な判断力を失ってしまっているとしか思えない決断をする“高学歴地下アイドル”たちがいる。
某地下アイドルグループの元メンバーのHさんはこう語る。
「今までの人生で、スポットが当たってこなかったような人ほど、アイドル活動にのめり込んでしまうんです。端的に言うと……、容姿があまりすぐれていないメンバーですね。地下アイドルをやっていると、どんなメンバーでも少ないながらも必ずファンがつきます。それも、ファンが少ないメンバーほど、数少ないファンが『僕が支えるから』と強烈に推す傾向にありますので。慣れないちやほや、初めてのスポットライトに狂った結果、せっかく良い大学を出て、有名企業に正社員として入社していたのに、辞めてアイドル一本で生きる、と言い出します」
また、別のグループの現メンバーのOさんも同様の見解だ。
「うちのグループはまだ全然“売れてる”という枠には入らなくて、それでもグループ結成直後と比べたら、ファンも増えたし、出していただけるイベントも増えました。ただ、全員社会人で、年齢もみんな20代後半から30歳超えている人も。アイドルを仕事にする年齢はとうに過ぎています。最初はみんな、会社勤めをしつつ、退勤後や土日を利用して活動していました。ですが、舞台慣れしていないような、ちやほやされることに舞い上がっているようなメンバーほど、ファンや露出が増えるにつれて、どんどん会社を辞めて行っているんですよね。何のために大学まで行かせたのか、と親と喧嘩になったコも少なくありません」
Oさん曰く、「ファンもファンで、会社を辞めてアイドル一本で活動する、と報告すると、一層『今まで以上に応援するから』と甘い言葉をかけるんです。そう言いながら推し変する人だってたくさんいるし、そもそもメジャーな舞台で活躍するなんて現実的な話じゃないのに……」
アイドルという職業が、“自分に鞭打って頑張る姿”そのものがコンテンツになってしまうゆえの悲劇。夢から醒めたときには社会復帰できない年齢になっていることも含めて、売れないアイドルとは、女版・「夢を追うバンドマン」ということか。 <取材・文/日刊SPA!編集部>
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