2027年の渋谷駅周辺模型が完成…かまぼこ屋根復活、渋谷川緑化、ハチ公はどこに?
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駅周辺の広域模型では、渋谷ヒカリエ(約180メートル)以上の高さで、都内一の駅ビルとなる東棟(約230メートル)を中心に、一帯が高層ビル群となるように見える。たしかにオフィスの延床面積は急増し、ビジネス用途で渋谷を訪れる人は増えそうだが、屋上広場や渋谷川周辺の遊歩道整備、外国人観光客が利用しやすい施設づくりなど、多様な人をうけいれる街へと変わるようだ。
たとえば、ハチ公像のある西口駅前広場は、渋谷の象徴でもあるスクランブル交差点は残しつつ広場を広く、ヒカリエ方面、国道246号方面への導線もかなり改善される。駅前広場から大階段またはエスカレーターでJR改札、屋上広場、そして現在の銀座線の高架上に連絡橋をつくり、ヒカリエ方面への移動もスムーズとなる。今回披露された模型ではハチ公像の姿が確認できなかったが、現在検討中とのこと。2027年の待ち合わせスポットはどうなるのだろうか。
駅街区の東棟、中央棟、西棟の国道246号沿いには歩道橋ができ、国道246号を挟んでセルリアンタワーなどがある桜丘町方面への移動も劇的に変わりそうだ。東横渋谷駅のかまぼこ屋根をイメージした連絡歩道橋にも期待したい。各鉄道の改札へのアクセスについては、JR埼京線ホームがJR山手線ホームの隣に移動することがもっとも大きな変化となりそうだが、地下化して不便だと言われている副都心線など、地下鉄各線の改札がある地下の導線についてはほとんど発表されなかった。
新たなランドマークとなる駅街区の東棟の開業予定は2020年となっているが、2018年から順次開業していく地区もある。2018年には、バスターミナルや観光支援施設が整備される「道玄坂一丁目駅前地区」、渋谷川周辺の遊歩道整備やホテルなどが入るビルができる「渋谷駅南街区」が開業予定。2020年には、住宅複合ビル群となる「渋谷駅桜丘口地区」。そして、駅街区の中央棟と西棟が2027年に開業し、駅周辺のすべての再開発が完了する予定となっている。
まだまだ、先のことと思うかもしれないが、東棟以外でもすでに事業は目に見えるかたちで進行している。渋谷川周辺で始まっている「南街区土地区画整理事業」だ。東横渋谷駅の廃業後、かまぼこ屋根や高架の解体が進むなか、渋谷川沿いの建物に入居していたオフィスや店舗は、取り壊しに向けてすでに退去が進んでいるのだ。ビル内のテナントすべて退去済みというビルも多く、ちょっとした廃墟街となっている。
2014年7月31日時点で営業していた喫茶店で話を聞くと、「来年いっぱいは営業できなそう。けど、まだしばらくはここで食べていくわよー。また来てね!」と、明るく対応してもらった。通りは閑散としていたが、馴染みの客と談笑する姿が印象的であった。駅側から見て右側の建物はほぼ取り壊し、左側も手前数軒は取り壊され、広場となる予定だ。取り壊しも2014年度から順次始まる。現在の渋谷川の姿を見られるのはあと1年ないかもしれない。
今後も段階的にさまざまな発表が行われる。現在の渋谷の姿を目に焼き付けつつ、生まれ変わる渋谷に今後も注目だ。また、渋谷駅周辺の完成イメージ1/500模型は、渋谷ヒカリエ11階の特設コーナーで一般にも無料公開されている。
<取材・文・撮影/林健太>
東京・渋谷駅周辺再開発の完成イメージ1/500模型が記者発表会にて初披露された。発表会は、7月31日に渋谷駅街区東棟の起工式が行われたことを記念して開催されたもので、東棟を含む駅街区、南街区、道玄坂1丁目駅前地区、渋谷駅桜丘口地区など、街全体の将来ビジョンが語られた。
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