大人になってから仮面ライダーベルトにハマった男「不思議と癒される」
子どもの遊びに大人が熱中してしまう例は昔から絶えないが、最近は特にその動きが顕著だ。大人が本気でハマる「子どものおもちゃ」の魅力を、ドハマり中の大きなお友達の声から探ってみた
◆『仮面ライダーベルト』大人の所有欲を満たす完成度のベルトを眺めて明日への活力に
●豊田健介さん(仮名)39歳・会社員
ご存じの通り、仮面ライダーといえば、子どもたちが憧れる国民的ヒーローだ。’71年に登場して以降、今もシリーズ最新作が放映されており、親子や家族で楽しんでいるファンも少なくない。そんな仮面ライダーに、大人になってからドハマリしたのが、会社員の豊田さんだ。
「4、5年ほど前、当時放送されていた『仮面ライダーW』を偶然見て、面白かったのがきっかけですね。だんだん登場人物たちに感情移入してしまい、彼らが使っている変身ベルトや武器を自分も触ってみたい、使ってみたいと思うようになったんです」
グッズに興味を持ち、おもちゃ売り場に足を運んだ豊田さんは、そこで驚愕したという。
「最近のおもちゃは、とにかく完成度が非常に高い! 触ってみた感覚が安っぽくないし、効果音も作品で聞いたものと遜色がないんです。これなら大人の自分でも楽しめると思い、のめり込みました」
そこから、豊田さんの仮面ライダーグッズの収集がスタート。当時は、コンプリートする勢いで集めていたそうだが、楽しい生活はすぐに限界を迎えてしまう。
「家庭を持つサラリーマンの悲しい性ですが、自由に使えるお金が底を尽きまして(苦笑)。新品に手が出なくなったので、中古品を探したり、近所の父兄から子どものお古を購入したりしています」
さらに、グッズの購入費用を少しでも捻出するために、昼食を100円ショップのご飯と缶詰だけで済ませる、といった涙ぐましい努力をすることも。なぜそうまでして、仮面ライダーのグッズを収集するのか。
「仕事から疲れて帰ってきたとき、仮面ライダーのおもちゃを触っていると、不思議と癒されるんですよ。それに仮面ライダーは、自分と近い存在だと思うんです」
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=695903
突拍子もない話だがその心は?
「僕らサラリーマンも、会社や家庭、現実世界のいろいろな葛藤と戦っていますよね。それが1人で戦う仮面ライダーと似ているなと。だからグッズを集めながら、『自分も仮面ライダーなんだ』と言い聞かせて、頑張っています」
仮面ライダーグッズは、豊田さんの活力の源なのかもしれない。
取材・文/黒田知道
― 大人がハマる[子どものおもちゃ]偏愛図鑑【3】 ―
- おもちゃで遊んでいるときが、豊田さんの至福のひととき。もともと子どものおもちゃなので、近所の子どもに貸すこともあるそうだ
- 豊田さんは細身ゆえ、子ども用のベルトを装着できる選ばれし体なのだ。「購入後は、必ずベルトを巻いてポーズをとります(笑)」
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