観光客のふりをして「外国人向け東京ツアー」に密着してみた
日本を訪れる外国人観光客は年々増えており、昨年は過去最高の約1000万人に及んだ。そこで来日中の彼らが「クール!」と思った日本のアイテムやカルチャーを聞いてみた!
◆観光客のふりをして外国人ツアーに密着してみた
オタク文化の聖地であり、外国人観光客も多くいる秋葉原は、彼らの目にどう映っているのだろう? お世辞抜きの感想を探るべく、「外国人向けツアー」に送り込まれたのは、ポーランド人の母を持つ記者H。「見た目が日本人ぽくない」というなんとも安易なカムフラージュで密着することに。初心者向け、約3時間のコースを案内するのは英語が堪能な日本人女性。ネットで希望者を集めているためか、料金も1人3000円(飲食費除く)とリーズナブル。
多国籍な一行が最初に向かったのはメイドカフェ。メイドのアニメ声と店内の異様なハイテンションには若干驚きつつも、参加者はおおよそ楽しんでいる様子だった。
「テーマパークみたい!」と大興奮していたのはカナダ人の女の子。また、一緒に参加していた父親はメイドのケチャップのかけ方に「バリスタみたいだな!」となぜか大爆笑。日本独自の“ラテアート”がツボに入ったようだ。
続いて向かったのは、同人誌やフィギュアが並ぶホビーショップ。
「日本人はなんでも大切にするよね。おもちゃを博物館みたいに並べるのは日本だけじゃないかな」と、話していたのはメキシコ人男性。京人形などもそうだが、フィギュアをガラスケースに入れるのは日本の伝統なのかもしれない。
一方、うっかり18禁コーナーに足を踏み入れたフランス人カップルは、喰い入るように同人誌を漁る日本人客にドン引き! 哀れむような眼差しを向けていた。
最後に向かったのは電化系免税店。わざわざ壊れたパソコンを持ってきたというアメリカ人男性は、「秋葉原で買い取ってもらえて嬉しいよ!」と感動していた。その心境は旅行先と無関係なブランド物を買う人に近いのかも……。
外国人が魅力的に感じていたのは、心遣いや展示法などの細部。特殊なイメージの秋葉原だが、その裏には外国人だからこそ見える、普遍的な日本らしさがあるようだ。
取材・文・撮影/鼠入昌史・佐藤来未(Office Ti+) 林バウツキ泰人
藤村はるな 古澤誠一郎 安田はつね(本誌) 協力/株式会社リアライズ
― 外国人観光客が語る「これが私のクールジャパン」【6】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ