中国の偽ジョブズが追悼コメント「世界のIT業界は俺に任せろ!」
オバマ大統領からソフトバンクの孫正義氏まで、スティーブ・ジョブズへの追悼コメントが盛んに報じられるなか、日刊SPA!にある人物から追悼コメントを寄せられた。
「こんなに早く彼の神話が終わってしまうとは驚きだ。彼は賢者だったし、人物としても好きだった。それに、『ITで世界を変える』という彼の思いは、私の思想とも共通するところ。心から冥福をお祈りしたい」
そう恭しく哀悼の意を表するのは、あの「パチモンiPad」で一躍有名人になった中国・巨竜集団の呉小龍社長だ。中国で「山寨王(パチモン王)」との異名をとる呉社長は、昨年、中国産タブレットPC「P88(日本名ioPad)」を本家に先駆けて製造・販売したことで日本をはじめ世界で話題となった。
「我が社の特許を侵害しているのはiPadのほう」と、ジョブズ氏率いるアップル社を訴訟する構えを見せたこともあった呉氏。しかし、良き“剽窃元”、否、良きライバルを失った今、彼が受けたショックは、我々が察するにあまりあるのかもしれない……。
ところがジョブズ氏の“遺作”となったiPhone4Sには「技術的にはiPhone4からほとんど進化しておらず、全く実用的でない。所詮よくできたオモチャで、ビジネスで使えないよ。」と辛辣な評価。またジョブズ氏の後任、ティム・クックCEOに関しても、「凡庸だ。ジョブズのカリスマ性と経営手腕はとても真似できないだろう」と一蹴した。
そのうえで、「巨竜集団はこれからも実用に即した製品を開発していく」と息巻く。その口ぶりからは、「ジョブズ亡き後、世界のIT業界は俺に任せろ!」といった自負すら感じられたのだった。
果たして偽ジョブズが、本当の意味での“ジョブズの後継者”になる日は来るのだろうか……(たぶん、ないだろう)。
取材・文/奥窪優木 写真/バーナード・コン(本誌特約)
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