デキる客引きは最初の一言で勝負をキメる――『超爆乳っす! ブスだけどいいっすよね?』
―[C-1グランプリ2015]―
夜の繁華街をさすらうキャッチや客引き。はた迷惑な存在ながら時としてとてつもない話術で酔客の気を引くのも事実。そこで今回は風俗ライターや夜遊び好き記者の証言から珠玉の“作品”を完全網羅!! 日本一おバカな“街頭キャッチ&客引き”を決める「C-1グランプリ2015」を開催。一番おバカなフレーズはこれだ!
◆デキる客引きは返す刀で客を斬る!?<NOとは言えない? 意外な返し賞>
熟練の客引きといえども、最初の一言で勝負をキメるのは至難の業。ここで紹介するのは、思わず笑ってしまう返しの一言だ。
「爆乳のコがいないなら行かないって断ったつもりだったのに、『友達のガーナ人呼びます。超爆乳っす! ブスだけどいいっすよね?』と言われた」(東京・新宿)
客引きを困らせて商談を終わらせるつもりで放った言葉が、自分の首を絞める結果になるパターンは夜の繁華街でよく見られる。
「AKBみたいなコじゃないとイヤだなーって言ったら、『ホントにAKBっぽい娘いっぱいっすよー』と客引き。そこで『マジ!?』と食いついたのが失敗。『マジマジっす。選抜外な感じっすけど』って肩を組まれてそのまま店に連れられました」(札幌・ススキノ)
ネットの検索エンジン対策のように、ひっかかりやすい単語をとにかく羅列するキャッチは多いが、次の事例は特に秀逸だ。
「『おっぱい、ヘルス、本番、あとスカトロ』って声かけてきた。思わず聞き返したら『とんでもなくクサイやつを出す女がいます!』って」(東京・日暮里)
変に選んでブスに当たるよりは、自ら未体験の異臭に触れるほうが、遊び人の本懐……かもしれない。
一方、客のネガティブトークに対してポジティブな切り返しパターンもある。
「草サッカーの試合をやった帰りで、疲れてるから遊びは無理だってキャッチに言ったんですよ。そしたら、『なに言ってんすか、まだハーフタイムすよ! もうひと汗かいてきましょ!』とカツを入れられ、結局お店に行っちゃいましたね」(仙台・国分町)
素早い“カウンター攻撃”の前には客の守備も崩壊してしまう。
「『女子アナいるよ』と声かけられて、『またまたー嘘つくなよ』と返したんです。そしたら、『いや、マイク扱いうまいっす! ウチ、ピンサロっす!』って」(広島・流川)
疑り深い客の心をバラ色に変えるポジティブ思考のキャッチは、さながら路上のカウンセラーだ。
続いて近年増加中のアフリカ系キャッチのフレーズもグッとくる。
「見た目が怖くて断ると『ミセ、オレミタイナ、オトコ、イナイ、ダイジョウブ』」(東京・歌舞伎町)
ちなみにこのキャッチはボビー・オロゴン似。博打気分で付いていくと外国人キャバでボビーの女版に両脇を固められたという……。
こうした切り返し術をマスターしながら、客引きとしてのステージを上げていくのは世界共通だ。
イラスト/桜壱バーゲン
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