“セックス難民”になる独身アラフォーの共通点
’15年2月にSPA!が首都圏を中心に行ったネットアンケートによると童貞ではないが1年以上、セックスレスな未婚男性(35~45歳)500人のうち、61.4%にあたる307人が5年以上セックスしていないと答えた。晩婚化が進んでいるとはいえ、アラフォーまで結婚できなかった男性にとってセックスまでたどり着くことがいかに困難かを裏付ける数字といえる。
収入に注目してさらに見てみると5年以上セックスしていない人の51%は年収300万円未満、年収500万円未満まで調査の範囲を広げると実に全体の82%を占めているという実態も明らかになった。
「自分の生活だけでも厳しいのに女にまで金は回せない。いつクビになるかも分からないし、生活費以外は貯金している」(38歳・食品派遣)
「昔は風俗に行くこともあったけど、給料が下がって今はそんな贅沢はできないね。もっぱら無料のエロ動画をパソコンで観ながらオナニーして我慢している」(41歳・家電量販店)
など、経済的にセックスを諦めざるを得ないという声が多く聞かれた。貧困と“セックス難民”の関連について男女の出会いに詳しい婚活アナリストの古田ラジオ氏はこう指摘する。
「35歳以上で年収300万円未満の場合、その人は派遣社員など非正規雇用である可能性が高いですが、これがまず致命的。出会いのきっかけの約30%は職場や仕事であるという統計もあります。そこでの立場が弱いことがそのままセックスの機会損失につながっていることも見逃せません」
ところで彼らにセックスしていない理由を聞いてみると多いのが、「モテない」で51%、続いて「女性とコミュニケーションを取るのが面倒」という声が39%。この2つが他の理由を圧倒している。
「若い子には相手にされないし、かといって売れ残った同世代の女は男の条件にあれこれうるさいので面倒くさいから、『もういいや』になっちゃいましたね」(39歳・IT)
「おっさんの場合、女のコにそれなりの投資をしないとヤラせてくれないので貧乏人には厳しいですね。飲みに誘うだけでもそれなりのお店を期待されるし。それに投資したからといってセックスできる保証があるわけじゃないしね……」(41歳・広告代理店)
しかし意外なことにセックスレスの理由を「お金がない」に挙げる人は全体の15%程度。これは予想よりも少ない印象もあるが、前出の古田氏は言う。
「(研究実績が重きを置かれる学術分野ですら)小保方問題でも明らかになったようにコミュニケーション能力への評価偏重が進んでいるのが今の社会です。コミュ力の高い人間ほど新卒時に良い職に就けるため、経済力もコミュ力も高い人と経済力もコミュ力もない人の二極化が進んでいます。回答者は自分の貧困以上にコミュ力がないことの問題に気付いているだけで、二極化の傾向はセックスにおいても如実に表れていると思います」
「コミュ力が足りないから女にモテない」
「お金がないから女にモテない」
「コミュ力がないからお金がない」
結局はセックスできないという結末にたどり着く悲劇。
多くの回答者は既に再びセックスをすることを諦めている。アンケートに協力してくれた500人のうち321人、実に64.2%は「この先セックスできると思うか?」という質問にNOと回答している。
格差社会の縮図がアラフォーのセックス難民増加であるとすれば、その流れは今後さらに加速していきそうである。
<取材・文/日刊SPA!編集部 イラスト/ぐれいす>
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