元アウトローの転職事情「ヤクザは人に使われることに慣れていないから、社会復帰が難しい」
暴力団排除条例や警察による準暴力団規定などにより、アウトローたちにとっては年を追うごとに肩身の狭い世の中になってきている。そんな世の中に嫌気が差したアウトローたちが足を洗って更正したら、どんな人生を歩むのだろうか……。今回、週刊SPA!取材班は全国の元アウトローたちの足を洗った経緯や今の何の仕事に就いているのかを徹底取材した。
今回取材に協力してくれた元ヤクザの中ではダントツの成功者。Nさん(52歳)は、関西の大手ヤクザ組織三次団体の執行部メンバーから華麗なる転身を遂げた。今は複数の会社経営者として年収1億円を稼ぎだす。
「頭に血が上った兄貴分が、殺しちゃいけない相手を殺しちゃったせいで、組は解散。私も自動的に引退に追い込まれたんです。その際に有り金を残らず上納させられたもんですから、丸裸状態の足抜けでしたよ」
違法薬物の売買を中心に、それまで2500万円ほどあった年収は激減した。
「学生に混じっての引っ越しバイト、日雇いの軽作業、タクシー運転手などなんでもやりました。ですが、カタギの人間に使われる立場は精神的に辛くて、続きませんでした」
そこでNさんは、まずはヤクザ周辺ビジネスにフォーカス。デリヘルとキャバクラの雇われ店長として働くうちにスポンサーを掴み、建築現場への人材派遣業や金貸し業、そして不動産業の経営に進出していった。
「根性と度胸さえあればなんとかなる業種ばかりを狙ったところ、不動産業でアベノミクスにうまく乗り、一気に人生の風向きが変わりました。ヤクザの得意分野にこだわったのがよかったと思っています」
足抜けから苦節9年。今はやることなすこと順風満帆だという。そんなNさんは一般論として、「ヤクザは人に使われることに慣れていないから、社会復帰が難しい」とも語ってくれた。
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<取材・文/週刊SPA!編集部>
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