努力しない、人の目を気にしない…年収億単位の「ネット起業家」たち
「ネット起業家」と呼ばれる青年たちがいる。「秒速で1億円」のキャッチフレーズでメディアの寵児となった与沢翼を筆頭に、一般的なサラリーマンの年収以上の月収を軽く稼ぎ出している面々だ。
そんな彼らの「稼ぐ哲学」に迫ろうと3年間に及ぶ密着取材を敢行したのは、ビジネス書作家の水野俊哉氏。自身も20代の頃に若手ベンチャー経営者として脚光を浴びた経験を持つ水野氏だが、そんな彼でもイマドキのネット起業家たちには驚かされることが多かったという。
――億単位の年収を稼ぎだす「ネット起業家」とは、どんな人たちなんでしょう?
水野:親が金持ちで、幼稚舎から慶応に行って……みたいな人は一人もいませんね。むしろ落ちこぼれであったり、元暴走族であったり、イジメにあったりしていたような人たちばかりです。そして、皆一様に「努力せずに手っ取り早くカネを稼ぎたい」という強烈な思いを抱いています。
――「努力せずに」ですか。
水野:むしろ努力は“悪”と考えているようなフシもあります。彼らの儲けの手段は「オークション」「アフィリエイト」「情報商材」の3つが主で、外からは怪しげなメールをばら撒いてユーザーを釣っているように思われていますが、興味深いことに、彼ら自身も、もともとはネットビジネスやセミナーに怪しい印象を抱いていたというケースが多いんですよ。この業界にいると、周囲からどう見られているかは気にならなくなるようですね。
――鉄の心臓ですね……。
水野:だから、女性にはネット起業家が少ないんだと思います。女性は友人・知人の目を気にしがちだから、「怪しい」と思われることを堂々とできる人は少ない。あと、ネット起業家同士は、お互いが何を生業にしているのかほとんど把握していませんね。「彼は何をやっている人なの?」と聞いても「多分、アフィリとかそのへん……」みたいな(笑)。にもかかわらず、結束だけは固いんです。
――お互いを“商売敵”と見なしたりはしていないんですか?
水野:これが面白いところで、彼らはあくまでも“協調路線”なんです。例えば週刊誌の世界で、『SPA!』と『ポスト』と『週刊現代』の編集長同士がしょっちゅう一緒に酒を飲んで、今週は『SPA!』でこんな特集をやるから、ほかの雑誌は皆でそれを盛り上げよう……なんて話はないですよね。でも、情報企業の世界ではそれをやる。パイを奪い合うという発想にはならず、それぞれにお客さんを紹介し合うことで、むしろパイそのものが増えるという考え方。「経済合理性」が非常に高いんです。
――そこまで割り切って考えられるのはすごいですよね。
水野:なので、与沢翼などの新興勢力が、自身のセールスレターで先輩起業家たちの手法を「古い」「稼げない」などと書いたとしても、先輩たちも絶対それを読んでいるはずなのに、誰も怒らない。やはり、特殊な世界だと思いましたね。
一般人の感覚からは遠く感じられる、ネット起業家たちのメンタリティだが「そこに共感できないようでは、ラクして稼ぐことなど不可能」と水野氏は断言する。
彼らへの密着取材をまとめた、水野氏の渾身のルポ『マネー&フリー 僕らがラクして大儲けした57の秘訣』(サンクチュアリ出版)には、「叩かれることを恐れない」「自分より収入の高いグループへ飛び込め」「最初から年収1億円を狙う」といった、“哲学”がリストアップされている。心に響くものがあれば、アナタも彼らの仲間入りができるかもしれない!?
取材・文/日刊SPA!取材班
『マネー&フリー 僕らがラクして大儲けした57の秘訣』 年収1億円を叩き出す、若手ネット起業家たちだけが知っている“稼ぐ哲学”とは何か? |
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