家主に無断で空き家を「シェアハウス化」する闇業者
全国で「空き家」や「空き部屋」が急増し、社会問題と化している。総務省の最新の調査によれば、その数は820万戸にも上り、東京オリンピックが開催される2020年には1000万戸を超える見通しだという。今、この空き家を利用して、驚くべき非合法ビジネスを展開する人間たちがいる。関係者の1人がこっそりと教えてくれた。
「うちらは、東京と埼玉、千葉あたりで、空き家や空き部屋を、家主に無断でシェアハウスに改装し、生活保護受給者やネットカフェ難民などの低所得者を勝手に住まわせ“家賃”を取ってる。トップは元暴走族の人間。日本人じゃないよ」
それにしてもこんなことが可能なのか?
「ウチらは不動産会社で働く身内の人間を使って、空き家と空き部屋の情報を独自に集めてる。同じ空き家でも優良物件とそうじゃないものがある。ウチらにとって優良な物件とは、家主から完全に放置されている家や部屋。定期的に家主が掃除に来るような家ではダメ。また、隣り近所の目が厳しい空き家でもダメ。こうした条件をクリアした優良な空き家を使って、シェアハウスという名の苛酷な宿舎を展開している。都内だけで7~8軒、都内近郊も入れれば20数軒はある。警察にバレても居住者が不法侵入で捕まるだけ。だいたい、家主を探しても連絡がつかないような物件がほとんどなので、そもそもバレることのほうが稀だよ」
そのうちの1軒だという物件を案内してもらった。築40年以上になる木造の2階建てだが、ドアには堂々と「○×ハウス」と書かれた看板がかかり、中を覗くと、玄関には大量の靴が。部屋には三段ベッドがいくつも置かれ、現在15人ほどの居住者がいるという。板橋区内で家賃は3万円だ。
「住民の大半が65歳以上で、生活保護の受給者だ。この家は3年前から使っているが、近所の人間にもちゃんと挨拶をしてからはじめてるから、誰も空き家を勝手に使っているとは夢にも思っていないはずだよ」
家主に捨てられ、放置された空き家が、勝手に貧困ビジネスに利用されているとは驚きである。8/25発売の週刊SPA!では「ワル知恵錬金術を暴く」という特集を組んでいる。暴利をむさぼる悪徳ビジネスの手口とは? 餌食にされないためにも一読をオススメしたい。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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