バナナ職人・赤井稲妻、愛を込めてアイドル・鎌田紘子を彫る
昨年、週刊SPA!編集部・グラビアン魂の担当宛にある荷物が届いた。その封に「グラビアン魂で掲載いかがでしょう?」と書かれていたため、担当の私は「事務所からグラドルの売り込みかな」と思って中身を確認。するとその中には、バナナを彫って女のコを再現した紙焼き写真(下記参照)が大量に入ってた。「い、イタズラ……!?」。私はそれをすかさず、近くのゴミ箱に投げ入れた。
⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=939460
一瞬滞った仕事のつづきをしようと私は再びPCと向き合うが、思いのほかゴミ箱に捨てたものが気になって仕方がない。気付いたらゴミ箱からそれらを取り出して見入っていた。バナナの女のコの完成度に感心したのはもちろんだが、それ以上に、送り主である赤井稲妻の“意図”がわからず、混乱した。
いくら考えても、その答えは見つからなかった。「グラビアン魂」にバナナを推薦とは、どういうつもりなのか。直接本人に連絡するしかあるまいと、記載されていた番号に電話してみた。
――赤井さんですか?
赤井:はい。稲妻です。
――私、グラビアン魂の担当の者ですが。
赤井:あっ、どうもどうも。
――見ましたよ、バナナ。
赤井:カワイイでしょ?
――ちょっとキモイです。
赤井:人それぞれですね。
――ところで、どういう了見ですか?
赤井:つまようじ1本でつくれるんですよ。
――そうじゃなくて、これを私はどうすれば?
赤井:眺めたり、飾ってみたり、マネして彫ってみたり、いろいろ用途はあると思います。
――でも「グラビアン魂で掲載を」って書いてありましたけど。
赤井:あっ、それも一つの手です。思い切って、どうですか?
――ダメです。
赤井:即興で彫ってからの撮り下ろしもできますよ?
――撮り下ろしません。
赤井:ですよね。
――です。
赤井:でもカワイイでしょ。誰でも彫れますよ。
――じゃあ彫りに来ますか?
赤井:グラビアン魂で?
――それはダメです。
赤井:ですよね。
――日刊SPA!というサイトでどうですか?
赤井:了解です。
そんなやりとりがあって、初めて彫っていただいた際の記事がこちら『「キモカワイイ!」と話題の“バナナ彫刻”の作り方』。
時は流れ、なんだかんだ交流は続き、このたび『バナナの正しい彫り方』なる本を出すことになった。つまようじでバナナを彫り、あの有名人からかわいい動物、果ては東京スカイツリーまで、さまざまなモノの彫り方を解説した特殊ハウツー本である。サラリーマンなら宴会芸のひとつとして、子供がいる親御さんなら一緒に休日を楽しむツールとして、“バナナ彫刻”を始めてみてはいかがだろうか?
赤井:撮影のためにひたすら練習して、バナナを彫りまくりました。当然使用したバナナは全部食べるわけで、ずっとバナナばかりの生活だったからか、その頃は他の何を食べても「すっぱい!」って感じるほど味覚がおかしくなってましたね。でも唯一の心残りは、いまだにグラビアン魂に掲載してもらえないことです。なのでここに、私の大好きなアイドル・鎌田紘子さんの“バナナ彫刻”を載せてもらうことになりました。まるでフィギュアのように顔も体もパーフェクトな鎌田さん、僕、がんばりましたよ! 撮り下ろしだよ!
――あまり似てないですね。
赤井:愛でできてますからね。
――どういうことですか?
赤井:愛を知らないんですか?
――……それって“バナナへの愛”? それとも“鎌田紘子への愛”?
赤井:どちらもですね。
――何か最後に言いたいことはありますか?
赤井:これからも鎌田紘子さんをよろしくお願いします!
――“鎌田愛”じゃねーか!
赤井稲妻●サラリーマン。“バナナ職人”として、芸能人の似顔絵から仏像まで精巧なバナナをつまようじで彫る男。ブログ・ネット動画などで話題になったのち、『ナニコレ珍百景』などバラエティ番組でもバナナ彫刻を披露。バナナのほかにも、さまざまな食材をつかった奇想天外な作品を発表中!
ブログ http://ameblo.jp/akaiotoufu/
Twitter @akaiinazumajapa
<取材・文/日刊SPA!取材班>
『バナナの正しい彫り方』 つまようじ1本でバナナをアートする |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ