体験者が語る「反原発デモで逮捕されるとどうなる?」【後編】
12人もの逮捕者が出て、メディアを騒がせた「9・11新宿 原発やめろデモ!!!!!」。そのなかの一人で、隊列を広げた容疑で東京都公安条例違反で逮捕された二木信氏に逮捕の顚末を聞いた。
※【前編】はこちら⇒https://nikkan-spa.jp/88964
◆社会的インパクトを与えられればデモは成功
逮捕された理由について、二木氏はこう考える。
「僕らの反原発デモは、普通のデモみたいに粛々とではなく、社会的インパクトを与えるために町の人も巻き込んで派手にやる。でも、警察は秩序を乱されるのを本能的に嫌うもの。
しかもどこか素性の知れた団体や組織ではなく、訳のわからんヤツらの集まりだから逆に怖いのでは。僕らは本来の意味での大衆運動。政治思想があるわけでもない。それが逆に怖いんだと思う。警察を怒らせるのがいいわけじゃないけど、社会的に影響力を持つと思われてるのは、それだけ僕らの運動にインパクトがあるってこと。そういう意味では、成功なのかもしれませんね」
普通に参加するだけで逮捕されることはまずないというが、「とりあえず、デモで逮捕されるってそんなに大したことじゃないとは、言っておきたいです(笑)。デモの逮捕者で、本気で悪いことしてる人はいません」と、余裕たっぷりの二木氏だった。
【二木 信氏】
’81年、茨城県生まれ。音楽ライター。’03年からサウンドデモに参加。共編著に『音の力 ストリート占拠編』(インパクト出版会)、『素人の乱』『ゼロ年代の音楽』(ともに共著、河出書房新社)
取材・文/田山奈津子 朝井麻由美 撮影・取材・文/青山由佳
イラスト/友利琢也
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