山本太郎は闘い続ける「米国に差し上げたお土産は、返していただくしかない」
<山本太郎氏インタビュー>
――昨日(9月25日)、山崎正昭参院議長から呼び出されましたね。
山本:議長室には副議長と議員運営委員長も同席、9月18日の参院本会議での問責決議案採決の際に、喪服姿で合掌をしたことが「参院の品位と節度を失墜する行為だ」と厳重注意を受け、「次回やったら(懲罰委員会にかけて)議員バッジを外してもらうこともある」という警告もいただきました。大人に叱られる子供というような状況だったと思います。
参院議長は除名の権限をお持ちではないですが、「懲罰委員会にかけて3分の2の議員が賛成した場合」には除名することになります。「次はそういう可能性もあるからね」と親心でおっしゃっていただいたのだと思います。
――喪服姿で、数珠を持ったことの真意は?
山本:あれは、「自民党が死んだ日」という意味で、ある意味お葬式だったのです。自民党と安倍総理が死んだ日ということを伝えたかった。今の選挙制度では、有権者の2割程度の支持で国の大事な政策が決められてしまう。国民の多くが反対もしくは懸念を抱えている問題を、議員だけで勝手に決めてしまった。ここで日本の民主主義は死んだと。「この違憲立法に対して異を唱えられない国民の代表って何なのか」「国会議員として死んでいる状態」という思いでした。
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――この行為を目にした国民からは、厳しい反応が目立ちました。
山本:あの光景だけを見た人には「国会内でこんなことをするなんて!」「なんだ、このバカ!」という反応も大きかったみたいです。でも、叩かれることはわかっていましたが、政治に対する関心が高まってほしいというのが私の狙いでした。
安倍首相に合掌したときは、「憲法や立憲主義や民主主義の大切さを国民が考えるきっかけを与えてくれた」と感謝する一方、米国の完全な植民地として日本を捧げたことへの抗議の意味もありました。怒りの抗議と心からの感謝を込めた“詰め合わせセット”でした。
――それに対して、どんな反応がありましたか?
山本:賛否ともども、たくさんいただきました。否定的意見も受け止めたい。党の小沢一郎代表からも、「ふざけているように見えたら元も子もない」と叱責されました。
しかし私が2年前に参議院議員になって以来、「ルールを守れ」とたびたび言われてきました。ところが、このたびルール違反で民主主義をぶっ壊す強行採決をした与党議員には、何のお咎めもありません。鴻池祥肇委員長をガードする“人間かまくら”には、安特委以外の議員も加わりました。
「盗まれた採決」と言われていますが、これは強盗ですよ。国会議員の質問権と国から付託された評決権(法案への賛否の意思表示)も奪われたという“強盗行為”が問題にされていないのにはびっくりしています。
――デモでの発言も物議を醸しています。
山本:「安倍晋三お坊ちゃまが~」というやつですよね。今年5月、安倍さんがアメリカさまに渡り、議会でこの法案を通すことをお約束されました。そして9月26日頃に、ニューヨークに安保法律を手土産にお出かけになる。
でも、今からですよね。米国に差し上げたお土産は、返していただくしかない。「我が国にとって一番大切なものだから返してください」という外交ができる政治を、皆さんの力で私たちの力でつくっていきませんか。本来、一番の権力者は、この国の皆さまなのですから。
法案成立後に国会前集会で宣言した通り、アメリカからお土産を返してもらう闘いを続けていきます。まずは来年夏の参院選が決選の場です。そこで野党が結集して与党を過半数割れに追い込んで、衆参の捩れ状態をつくる。そして次の衆院選で政権交代に持っていく。安倍政権を倒すのか、アメリカの植民地状態が続くのかギリギリのところにあります。
【山本太郎氏】
’74年生まれ。俳優を経て’13年に参議院議員に。現在、「生活の党と山本太郎となかまたち」に所属。先月、安保法制に関連した一連の参議院採択では、「ひとり牛歩」や「お焼香パフォーマンス」を行い物議を醸した
― 安倍政権[アメリカ追従政策]悪魔のリスト ―
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