シャツはもうユニクロでいい…12万円以上買って「ユニクロ×ルメール」春夏コレクションを検証してみた
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第66回目をよろしくお願いします。
買い込みました、買い込みました。「UNIQLO AND LEMAIRE(ユニクロアンドルメール)」の春夏コレクション。
前回の秋冬は銀座店に行列ができ、一部店舗では入店制限をかけるほどの盛り上がり。転売市場も随分盛んだったようで4000円程度のシャツが最高1万円まで跳ね上がったことも。
エルメスの元デザイナーが手がけるユニクロのとのカプセルコレクションは「最高のデザインが最安の価格」で手に入るといっても過言ではないため、私の周りのアパレル関係者もこぞって購入していました。発売当日は私も取材でユニクロの店舗に足を運んだのですが、明らかにアパレル関係者であろう方々がチラホラ。業界でも大いに注目されているため、人気が集中するのは当然のことでしょう。
さて、以前本連載では「展示会で見たサンプル段階」での評価「春夏の『ユニクロ×ルメール』コラボ商品マストバイ3選」と「春夏の『ユニクロ×ルメール』コラボ商品ワースト3」で解説したものの、実際のサイズなど詳細がわかる「商品」での評価はまだでした。そこで、今回は私が12万円分超買ったなかから、ざっくりと「困ったら迷ったら何を買うべきか?」を簡単に教えます。とくに30代男性にとって「最高のデザイン」のどんなアイテムが「最安で買える」のか紹介します。
▼シャツはもうユニクロでいい
今回の「ユニルメ」の特徴は、着こなしを工夫しないと上手に合わせられない「マニアックなもの」から、誰もが簡単にサマに見せることができる「マストバイなもの」があることです。多種多様ゆえに選択眼が試されるのですが……とくに買っておいて損はないのが「シャツ類」です。前回の秋冬もシャツが大好評、転売市場では値上がりも見られるほどでした。もともとユニクロはシャツが得意中の得意。「某超有名オックスフォードシャツブランドから責任者を引き抜いた」なんて噂もありますから、カジュアルシャツにせよドレスシャツにせよ素材はとにかく良質なものを持っています。
●コンバーチブルカラーシャツ(長袖)+E 3990円(+税)
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1068849
今回イチオシしたいのがこのアイテム。襟が開襟のようにも着用できるコンバーチブルカラーが特徴です。襟が小さくつくられているので、ポロシャツのように立たせて着ることができます。シャツを選ぶときに見るべきポイントは主に3箇所。「襟」と「袖」と「裾」です。
「襟」はあまり大きいとビジネスライクな堅い表情になります。カジュアルな服に基本襟はなく、ドレスな服には襟があります。中間となる存在がポロシャツで、丸みがあって小さめの襟で目立ちにくいのがポロシャツの特徴でしょう。
カジュアル用のシャツを選ぶ際に襟が大きすぎるものはNG。ビジネス用のシャツを流用しているようにも思われてしまいます。小さめの襟であればビジネス感が薄く、普段使いしているおしゃれなシャツとして認識されるはずです。
「袖」は細身のものを選ぶのがポイント。服の印象は実は「先端」で決まります。シャツならば身幅や肩幅も大事ですが、それ以上に袖のフィット感や袖先が余っていないことが重要なのです。袖先がダラッとしていたり、腕まわりがゆったりしすぎたりしていると「オバQのハカセ」になります。先端であるからこそルーズさが目立ちやすいのです。
逆に肩幅身幅は多少余っていてもさほど気になりません。肩幅は肩パッドでも入っていれば別ですが、シャツなら肩線が多少前後しようと大して印象に影響を与えないものです。身幅も多少広くてもシワが少し出るくらいのもの。大きめを着ていても全体に与える影響は小さい。しかし袖は違います。袖先は特に先端部分であるがために視線が止まりやすく、少し余っているだけでも目立ってしまいルーズな印象を与えます。
「裾」も袖と同様先端部分です。裾が長ければだらしない印象を与えますが、ただ逆に短すぎると今度は腰の位置が露呈し、短足体型がバレやすくなります。程よい長さ、少し長めが好ましいのです。
このコンバーチブルカラーは「襟」は小さく、「袖」は細くてジャストな袖丈、「裾」も程よく腰位置を隠してくれる長さで文句のないベストバランスです。
素材もペラペラで透け感が強すぎるものではなく、エクストラファインコットンを採用。高級ブランドで使われる「超長綿」という特殊なコットンを使用しています。ツヤ感・肉感ともに文句ナシのクオリティ。
これが3990円(+税)で手に入るのだからもう、「シャツはユニクロでいい」と断言できます。ぶっちゃけ、このシャツのタグを隠してユナイテッドアローズに並べれば誰も気がつかないでしょう。そのくらいの品質と形のよさです。
白シャツは男性なら誰もが使うもの。清潔感と大人の余裕を感じさせる「モテ服」でもあります。今回のコレクション、せっかくなので何か買っておきたいと思うのならこの白シャツがオススメです。
ほかにも遊び用のシャツも充実。ストライプやオックスフォード、シャンブレー素材のものがラインアップされています。どれも上述のとおり形をかなり考え抜いてつくってあります。
前回の秋冬ほどではないにせよ、素晴らしいラインアップが揃っている春夏の「ユニルメ」。3990円(+税)で購入できるメッシュセーターなども同様にオススメなのですが、30代以上の男性ならシャツは必須です。春夏秋冬とオールシーズン着用もでき、誰もが必要とするものでしょう。困ったらシャツを手にしてみてください。そのできのよさに驚くはずです。
▼【補足】ワーストバイのその後は……?
ちなみに、前回記事「春夏の『ユニクロ×ルメール』コラボ商品ワースト3」でワースト3位に挙げた「シャンブレージャケット 8990円(+税)」ですが、実物を着てみたところ、こちらは通常サイズより1サイズ落とすとジャストでよい形になりました。
展示会サンプルはおそらくMサイズだったのですが、身長175cm体重64kgの私が着るとどうにも野暮ったい。しかし、実物をワンサイズダウンして「S」で着ればイケました。もともと「リラックス感のあるデニムジャケット」なんて野暮ったさが詰め込まれたようなアイテムでしたが、サイズダウンによってキレイな形になって着まわしやすくなります。ただし……ファッション初心者には少々着こなしが難しいアイテムであることは事実。「え!? 買っちゃったよ」という人は、着こなしを今週末配信のメールマガジンで解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
次に、ワースト2位に挙げた「コットンツイルイージーパンツ 3990円(+税)」も3位と同様にサイズダウンすると裾が程よく細めになります。
「パンツのサイズを通常より落としたらウエストが入らなくなるのでは?」と心配されるかもしれませんが、こちらはウエストがゴム仕様。私の体型で「S」サイズがジャストです。「S」サイズで細めにはいてロールアップすると裾の細さが強調されていい感じに。ただし、こちらも「着こなしが簡単なアイテム」ではありません。少々工夫が必要なので、着こなしを知りたい方はメールマガジンで紹介します。
最後にワースト1位に挙げた「チノ ショートパンツ 3490円(+税)」ですが、これはサイズをあげても落としてもイマイチ感が拭えませんでした。まさにワーストバイでした。 <取材・文/MB>ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)『MBの偏愛ブランド図鑑』 今着るべきブランド60の歴史や特色を、自身が愛用する品とともに徹底紹介 |
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