「高血圧の人は味噌汁を飲んじゃだめ」という説は本当に正しいのか?
加齢や肥満など高血圧が起こる要因はさまざまだが、塩分の取りすぎも大きな原因のひとつだ。血中のナトリウム濃度が上がると、これを一定に保とうとする力が働き、結果、循環する血液の量が多くなり、心拍出量も増加、血圧も高くなるといわれている。
「血圧が高い状態が続くと、血管や心臓に負担がかかり、動脈硬化や心臓肥大が進みます。結果、脳卒中や心筋梗塞、不整脈など多くの循環器病に疾患することになりますが、残念ながら、高血圧の患者さんですら推奨されている食塩制限を守れていないのが実情です」
と話すのは、帝京大学福岡医療技術学部医療技術学科長の河野雄平教授。ちなみに厚生労働省が推奨する日本人の食塩摂取量の推奨値は、男性は一日8g未満、女性は一日7g未満だ。
「食生活の欧米化で生活習慣病の人が増えたという意見もありますが、食塩摂取量だけを見れば、昔から日本人の食事には多くの塩分が含まれています。約50年前は日本北部で食塩摂取量が一日30g近く、高血圧の有病率は非常に高かった。醤油や塩蔵など日本の食材には塩分の高いものも多いので、洋食を食べたほうが減塩効果がある場合があります」
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