NHKの“清宮びいき”アナ、稀勢の里の“疑惑”に触れない実況…スポーツ実況がおかしい
新横綱・稀勢の里の優勝に沸いた大阪場所。13日目の日馬富士との取り組みで負った怪我に耐え、大関・照ノ富士との決定戦を制した姿に日本中が感動したらしい。
しかし、筆者は連日の熱狂に少なからず疑問を感じている。それは実況と解説のあり方についてだ。
14日目の取組で照ノ富士が変化を見せた際には苦言を呈したくせに、決定戦前の本割で横綱が同じことをしても、一言も触れなかったからだ。
さらに疑わしいシーンがあった。勝敗の決する場面で、稀勢の里の手が照ノ富士のマゲにかかっているのがスロー映像で捉えられていたのである。
確かにリアルタイムでは確認しづらかっただろう。だが実況アナウンサーと解説者が話している目前でそのシーンが映し出されても、誰ひとりとして言及しない。もしマゲに触れただけで問題なかったとしても、なぜそのことを解説しないのだろう?実に不可解である。
競技の本質に関わる、少なくとも2つの重大事項について相撲中継のプロフェッショナルである公共放送のアナウンサーが一言も発しなかった。確かに稀勢の里の精神力を称賛したい気持ちは理解できる。だが実況サイドが感動ストーリーに支配されたことで、千秋楽の大一番が24時間テレビのマラソンと同じレベルに墜ちたとは言えないだろうか?
高校野球中継はもっとひどかった。2回戦に登場した早稲田実業の清宮幸太郎選手に、NHKの小野塚康之アナウンサーが試合そっちのけではしゃいでいたのだ。
「さぁ清宮きましたっ!!」「清宮は最初の試合で驚くべきスピードのヒットでしたねぇ。カンカァーンとねっ!!」
もちろん、今大会で一番注目を集める選手だからテンションが上がるのはやむを得ないかもしれない。アナウンサー自身が野球好きならなおさらだ。
しかし、そのことで早口になり、言葉が聞き取りづらくなるのは論外だ。しかも清宮が打席に立つたびに、解説者の話をさえぎらんばかりに勢いづく――。
このように、本来スポーツそのものの楽しみ方や勝負の綾を視聴者に分かりやすく示すはずの実況アナウンサーが、そろってハメを外していた事実は少なからずショッキングだった。ハデな演出で営利を追求する必要のない公共放送ですらこの惨状なのだ。
そこで、いま一度スポーツキャスターがどのような役割を担っているのかを確認したい。
あれっ、稀勢の里の手が照ノ富士のマゲに…?
清宮が出るたびにアナが大はしゃぎ
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