コミュニケーション下手でも楽しめる、謎のイベント「深夜徘徊合コン」に密着してみた
9月2日(土)の深夜。都内某所に若き男女が集っていた。「“深夜徘徊合コン vol.2:深夏会歩”」。“合コン”と銘打たれてはいるが、ノンアルコールのうえに、運営側が「頑張らなくても大丈夫です」と明言するという、一般的な合コンのイメージをくつがえすちょっと変わった趣旨のイベントである。
とはいえ、一体なにがおもしろいのか。すべてが“謎”と言わざるをえない。主催者にはどのような意図があり、参加者たちは、なぜこのイベントに参加したのだろうか。今回は密着取材してみた。
午前0時、虎ノ門・金刀比羅神社にて開会式が行われ、イベントはスタートした。
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開会式では、参加者全員に今回歩くルートの描かれた地図と秘密の封筒が配られたほか、道中の空腹を満たすためのおやつ、虫よけリングまで配布された。また、女性にはこれらに加え、指名チケットというアイテムが手渡される。
「指名チケットは、各休憩地点で気になる男性を2名指名して、次の休憩地点まで一緒に歩くことができます」(主催者)
このチケットは、男性を2名指名しなくてはならないという条件だが、これはイベント終了までフリーになってしまい、イベントを満足に楽しむことができない参加者を減らすための主催側の配慮である。各チケットには、指名可能地点が記載されており、女性はその場所でしかチケットを使用できないというルールも盛り込まれている。
指名チケットもそうだが、参加者計20人(男性11人、女性9人)で複数のグループを作り、そのメンバーで休憩地点まで歩くというルールもこの合コン独自と言えよう。
アイテムの配布後は参加者の自己紹介が行われ、開会式は終了。参加者は開会式で作ったグループに分かれ、深夜の街へと繰り出すのであった。
第1休憩ポイントの芝公園を目指す途中、ライトアップされた東京タワーを発見。参加者たちの会話は盛り上がりをみせた。
深夜ゆっくりと歩いていると、いつもの景色も昼間の喧噪とは異なる表情で見えてきた。初対面であっても意外なほど、話のキッカケは多いように感じる。
さて、こうして深夜の都内を徘徊する参加者たちだが、なぜ彼らはこの合コンに参加したのか? イタリア公園での休憩を終え、第3休憩ポイントの月島第二児童公園へ向かう途中、参加者の男性(22歳・大学生)に参加の動機を聞いてみた。
「友だちと深夜の街を歩くことはよくあるんですが、そのほとんどが飲んだあとだったので。シラフで深夜の街を歩く感覚ってどんな感じなのかなと、すごく興味があって。友だちと一緒に参加してみました」
彼の口調からは、どちらかといえば、出会いは二の次で、それよりも深夜徘徊に興味関心を向けているように思えるが……。本イベントは合コンだ。ここまでで、気になった女性はいたのだろうか?
「同い年の女性でいいなと思う方がいたので、ゴールに着くまでに何かきっかけがあれば話しかけてみようと思います」
少々照れくさそうな表情が印象的だった。
ノンアルコールなうえに深夜歩くだけの合コン
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