3000円で冬服が快適&オシャレになる!「インナーダウン」のススメ
―[メンズファッションバイヤーMB]―
メンズファッションバイヤー&ブロガーのMBです。洋服の買いつけの傍ら、「男のおしゃれ」についても執筆しています。連載第160回目をよろしくお願いします。
年が明けて厳しい寒さが続きます。都内は特に朝が冷え込むため……「もうちょっと暖かいものがほしい」と手持ちのコートに不満を思う方も多いでしょう。また寒さゆえに防寒性の高いアウターばかりに頼りがちになるもの。すると、毎日同じ服ばかりになり「そろそろ新しいコートが欲しい」とも思うはず。
しかし、今はもう1月中旬、今コートを新調しても寿命はあと2か月もありません。いかにセールとはいえ、ここで高いお金を出してコートを手にするのも気がひける……。それでも防寒性の高いアウターがほしいし、今のコートには飽きているし、なんとかしたい……。そこでこの冬最後の買い物を「インナーダウン」にしてみてはいかがでしょうか。
▼秋アウターが冬まで延命できる
もともとアウトドアシーンでは一般的だった「インナーダウン」の着こなし。薄手のダウンを使ったインナーウェアを忍ばせてアウターの防寒性をUPさせるという考え方。昨今ユニクロが「ウルトラライトダウン」など格安&極薄のダウンを開発し、街着でも一般化が進んでいます。
インナーダウンのいいところは何と言っても「秋アウターが真冬に使える」様になることです。クソ寒いこの時期だと、どうしてもダウンジャケットや厚手のウールコートなどに頼ることになりますが、防寒性の低い秋用のアウターでも「インナーダウン」を中に入れてしまえば「秋アウター」+「薄手のダウン」の暖かさとなり今の時期でも耐えられる様になるのです。
ライダースジャケットだけでは冬のこの時期には少し肌寒いですが、インナーダウンを入れたスタイルだと問題なし。私は今でも都内ならこのスタイルで歩いています。
▼上下黒の地味なスタイルの挿し色となる
またもう一つインナーダウンのいい面は「色を挿すことができる」ということ。冬のこの時期のスタイルはどう頑張っても上下黒、上下ダークトーンになってしまいます。冬に明るい色のいアウターを選ぶ人はほとんどいません。特にメンズは何枚もコートを持っている人は少なく「着まわしできる1枚をヘビーユースする」人がほとんど。だから皆合わせやすい黒を選ぶことになります。またパンツも冬に明るい色を使う人はほとんどいません。黒かダークグレーかネイビーが全体の9割以上じゃないでしょうか。白パンやチノパンなど春夏の印象が強いため避けようとする人がほとんどでしょう。
すると当然上下黒になり皆地味な印象になってしまう。そこで差をつけてくれるのが「インナーダウン」です。インナーダウンは挿し色に向いている発色のいいものが多い。ダウンはそもそも軽く薄い羽毛を使っているため、生地のちょっとした隙間から簡単に外に出てしまいます。ダウンを長く使っていくといつの間にか表面に白い綿がついてたりしますよね? アレです。
そこでダウンを閉じ込めておくために高密度の素材を使う必要があるのですが、現代だとそれはナイロンなどが適しています。ナイロンなどの高密度素材の場合、発色が綺麗に出るメリットがあります。密度の低い天然繊維とは異なる、微細な色の変化を表現できるため、インナーダウンはカラーバリエーションが豊富で、上下黒の「挿し色」として使えるものが揃っているのです。
冬の着こなしバリエーションを増やす意味でも、冬の地味な印象を払拭する意味でも「インナーダウン」はオススメ。冬の最後の買い物としてはベストチョイスでしょう。
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ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超! (Twitterアカウント:@MBKnowerMag)
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